正弦・余弦定理を利用した測量(2)|山の高さ・塔の高さ

標準138

海上の2点 A、B が $1\,\mathrm{km}$ 離れている。A から真東の方向に山頂 C を見ると仰角 $30°$ 、B から北東の方向に山頂 C を見ると仰角 $45°$ であった。山の高さ CD を求めよ。

ただし、D は C の真下の点で、A、B、D は同一平面上にあるとする。$\sqrt{6} = 2.45$ として計算せよ。


TRAINING 138

同一平面上の3点 A、B、C があり、C に塔 PC が立っている。$AB = 80\,\mathrm{m}$ 、$\angle\mathrm{PAC} = 30°$ 、$\angle\mathrm{PAB} = 75°$ 、$\angle\mathrm{PBA} = 60°$ のとき、塔の高さ PC を求めよ。答えは根号をつけたままにせよ。


まずは図を描いて、直角三角形と水平面の三角形に分けて考えよう。仰角から「高さ」と「水平距離」の比が出る。君ならできる。


【解説と解答】正弦・余弦定理を使った測量

導入:測量問題の2ステップ

測量問題では、立体を平面に分解するのがコツだ。

  1. 直角三角形:仰角から、高さ $h$ と水平距離の関係を出す($30°$ → $1:2:\sqrt{3}$ 、$45°$ → $1:1:\sqrt{2}$)
  2. 水平面の三角形:余弦定理や正弦定理で、$h$ を含む方程式を立てて解く

使う武器(公式・定理)

  • $30°$-$60°$-$90°$ の直角三角形:$1 : 2 : \sqrt{3}$(対辺 : 斜辺 : 隣辺)
  • $45°$-$45°$-$90°$ の直角三角形:$1 : 1 : \sqrt{2}$
  • 余弦定理:$a^2 = b^2 + c^2 – 2bc\cos A$
  • 正弦定理:$\frac{a}{\sin A} = \frac{b}{\sin B} = \frac{c}{\sin C}$

標準138:山の高さ CD を求める

ステップ1:高さ $CD = h\,\mathrm{km}$ とおく。

  • $\triangle\mathrm{ACD}$($\angle\mathrm{CAD} = 30°$):$CD : AC : AD = 1 : 2 : \sqrt{3}$ より $$ AD = \sqrt{3}h \quad \mathrm{(km)} $$
  • $\triangle\mathrm{BCD}$($\angle\mathrm{CBD} = 45°$):$BD : CD : BC = 1 : 1 : \sqrt{2}$ より $$ BD = h \quad \mathrm{(km)} $$

ステップ2:D は A の真東、B の北東にあるから、$\angle\mathrm{ADB} = 45°$ である。

ステップ3:$\triangle\mathrm{ABD}$ に余弦定理を適用する。

$$ AB^2 = AD^2 + BD^2 – 2 \cdot AD \cdot BD \cdot \cos\angle\mathrm{ADB} $$

$$ 1^2 = (\sqrt{3}h)^2 + h^2 – 2 \cdot \sqrt{3}h \cdot h \cdot \cos 45° $$

$$ 1 = 3h^2 + h^2 – 2\sqrt{3}h^2 \cdot \frac{1}{\sqrt{2}} = 4h^2 – \sqrt{6}h^2 = (4 – \sqrt{6})h^2 $$

$$ h^2 = \frac{1}{4 – \sqrt{6}} = \frac{4 + \sqrt{6}}{(4 – \sqrt{6})(4 + \sqrt{6})} = \frac{4 + \sqrt{6}}{10} $$

$\sqrt{6} = 2.45$ を代入して、

$$ h^2 = \frac{4 + 2.45}{10} = 0.645 \quad \Rightarrow \quad h = \sqrt{0.645} \approx 0.803 $$

:山の高さは約 $803\,\mathrm{m}$


TRAINING 138:塔の高さ PC を求める

ステップ1:$\triangle\mathrm{PAB}$ で $\angle\mathrm{APB} = 180° – 75° – 60° = 45°$ である。

正弦定理より、

$$ \frac{AB}{\sin\angle\mathrm{APB}} = \frac{AP}{\sin 60°} \quad \Rightarrow \quad \frac{80}{\sin 45°} = \frac{AP}{\frac{\sqrt{3}}{2}} $$

$$ AP = 80 \cdot \frac{\sin 60°}{\sin 45°} = 80 \cdot \frac{\frac{\sqrt{3}}{2}}{\frac{1}{\sqrt{2}}} = 80 \cdot \frac{\sqrt{3}}{2} \cdot \sqrt{2} = 40\sqrt{6} $$

ステップ2:$\triangle\mathrm{PAC}$ は $\angle\mathrm{PAC} = 30°$ の直角三角形(P が塔の先端、C が足元)だから、

$$ PC = AP \cdot \sin 30° = 40\sqrt{6} \cdot \frac{1}{2} = 20\sqrt{6} $$

:塔の高さは $20\sqrt{6}\,\mathrm{m}$


【最強の暗記法:絞り込みリコールシート】

□ 問題:仰角 $30°$ のとき、高さ $h$ と水平距離の比は?

□ 答:$1 : \sqrt{3}$ 。$30°$-$60°$-$90°$ の三角形で、高さ : 水平距離 $= 1 : \sqrt{3}$ 。


□ 問題:仰角 $45°$ のとき、高さと水平距離の関係は?

□ 答:等しい。$45°$ の直角二等辺三角形だから、高さ $=$ 水平距離。


□ 問題:A の真東、B の北東にある点 D に対して、$\angle\mathrm{ADB}$ は何度か?

□ 答:$45°$ 。北東は東から $45°$ 北に寄った方向だから、$\angle\mathrm{ADB} = 45°$ 。


□ 問題:分母の有理化で $(4 – \sqrt{6})$ を有理化するには、分子・分母に何をかけるか?

□ 答:$4 + \sqrt{6}$ 。$(a – b)(a + b) = a^2 – b^2$ を使って、分母から根号を消す。


□ 問題:測量問題で「立体を平面に分解」するとは、どういうことか?

□ 答:直角三角形(鉛直方向)と水平面の三角形に分け、それぞれで三角比・正弦定理・余弦定理を使う。


□ 問題:$\triangle\mathrm{PAB}$ で $\angle\mathrm{PAB} = 75°$ 、$\angle\mathrm{PBA} = 60°$ のとき、$\angle\mathrm{APB}$ は?

□ 答:$45°$ 。三角形の内角の和は $180°$ だから、$180° – 75° – 60° = 45°$ 。


□ 問題:正弦定理 $\frac{a}{\sin A} = \frac{b}{\sin B}$ で、$a$ と $A$ がわかっているとき $b$ を求めるには?

□ 答:$b = a \cdot \frac{\sin B}{\sin A}$ 。両辺に $\sin B$ をかけて変形する。


□ 問題:塔の高さ PC を、AP と $\angle\mathrm{PAC}$ で表すと?

□ 答:$PC = AP \cdot \sin\angle\mathrm{PAC}$ 。$\triangle\mathrm{PAC}$ で、P が頂点、AC が水平だから。


【まとめ】

  • 仰角 $30°$:高さ : 水平距離 $= 1 : \sqrt{3}$ 。仰角 $45°$:高さ $=$ 水平距離。
  • 測量の流れ:高さ $h$ と水平距離を $h$ で表す → 水平面の三角形に余弦定理・正弦定理を適用 → $h$ の方程式を解く。
  • 分母の有理化:$(a – \sqrt{b})$ のとき、分子・分母に $(a + \sqrt{b})$ をかける。

【解き直しのすすめ】

「A の真東」「B の北東」から $\angle\mathrm{ADB} = 45°$ を導く理由を、方角の図で確認しておこう。測量問題は図が命。君ならできる。

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