よくあるまちがいの例:分数 $\frac{4+2-3+2\sqrt{3}-1}{4\sqrt{2}}$ で、分母の $4$ と、分子のたくさんある項のうち「最初の項の $4$」だけを約分してしまう というミスです。分子は $4$ と $2$ と $-3$ と $2\sqrt{3}$ と $-1$ の和なので、分母の $4$ と「分子の $4$ だけ」を消すことはできません。正しくは、まず分子をひとつの数(またはひとまとまり)に計算してから、分母と共通する因数があれば約分します。
この問題集では、分子に複数の項がある分数の約分を、まちがいなくできるようにする演習を30問用意しました。数だけの分子、根号を含む分子に加え、文字式($2a$、$3x$ など)が入る場合や、分子がそれ以上計算できない場合、減算を含む場合も扱います。
1
$\frac{4+2}{4}$ を求めよ。
2
$\frac{2a+4}{2}$ を求めよ。$a$ は文字とする。
3
$\frac{6+3}{3}$ を求めよ。
4
$\frac{3x+6}{3}$ を求めよ。$x$ は文字とする。
5
$\frac{8-4}{4}$ を求めよ。
6
$\frac{6a-2a}{4}$ を求めよ。$a$ は文字とする。
7
$\frac{4+2-3}{2}$ を求めよ。
8
$\frac{8-4x}{4}$ を求めよ。$x$ は文字とする。
9
$\frac{6+9}{3}$ を求めよ。
10
$\frac{2a+3b}{2}$ を求めよ。$a$、$b$ は文字とする。
11
$\frac{10+5}{5}$ を求めよ。
12
$\frac{3x-2y}{3}$ を求めよ。$x$、$y$ は文字とする。
13
$\frac{12-4}{4}$ を求めよ。
14
$\frac{4+6}{2}$ を求めよ。
15
$\frac{9x-3}{3}$ を求めよ。$x$ は文字とする。
16
$\frac{3+6+9}{3}$ を求めよ。
17
$\frac{10-5a}{5}$ を求めよ。$a$ は文字とする。
18
$\frac{4-2+4}{2}$ を求めよ。
19
$\frac{4x+2y}{2}$ を求めよ。$x$、$y$ は文字とする。
20
$\frac{6-4b}{2}$ を求めよ。$b$ は文字とする。
21
$\frac{4\sqrt{2}+2\sqrt{2}}{4}$ を求めよ。
22
$\frac{2\sqrt{2}+4\sqrt{2}}{6}$ を求めよ。
23
$\frac{6\sqrt{3}+2\sqrt{3}}{4\sqrt{3}}$ を求めよ。
24
$\frac{4\sqrt{3}+2\sqrt{3}}{4\sqrt{3}}$ を求めよ。
25
$\frac{5\sqrt{2}+\sqrt{2}}{4\sqrt{2}}$ を求めよ。
26
$\frac{\sqrt{2}+2\sqrt{2}+\sqrt{2}}{2\sqrt{2}}$ を求めよ。
27
$\frac{8+4}{4\sqrt{2}}$ を求めよ。
28
$\frac{4+2\sqrt{3}}{2}$ を求めよ。
29
$\frac{6+2\sqrt{3}}{2}$ を求めよ。
30
$\frac{4+2-3+2\sqrt{3}-1}{4\sqrt{2}}$ を求めよ。
解くときのポイント
-
分子に複数の項があるとき、そのうち1つの項だけを分母と約分してはいけない
分子が「項+項+…」の形なら、まず分子をひとつの数(またはひとまとまり)に計算してから、分母と約分する。 -
分子を計算する
同類項をまとめる(例:$4+2-3=3$、$4\sqrt{2}+2\sqrt{2}=6\sqrt{2}$)。計算したあとの分子と分母の共通因数で約分する。 -
分子を因数分解してから約分する方法
分子のぜんぶの項に共通因数があるときは、共通因数でくくってから約分してよい。例:$\frac{6+9}{3}=\frac{3(2+3)}{3}=2+3=5$。 -
分母に根号が残るとき
問題で「有理化まで」とあれば、分母・分子に適切な数をかけて分母を有理数にする。 -
分子に文字式($2a$、$3x$ など)が入るとき
分子のぜんぶの項に共通因数があれば、共通因数でくくってから約分する。例:$\frac{2a+4}{2}=\frac{2(a+2)}{2}=a+2$。分母の数と、分子の1つの項だけを約分してはいけない。 -
分子がそれ以上計算できないとき(同類項でない)
例:$\frac{2a+3b}{2}$ では $2a$ と $3b$ はまとめられない。このときは、分数を項ごとに分けて $\frac{2a}{2}+\frac{3b}{2}=a+\frac{3b}{2}$ とする。分母の $2$ と「分子の $2a$ だけ」を約分するのではなく、分子全体を $2$ で割るイメージで、各項を $2$ で割る。 -
分子が減算のとき
ひき算も、まず分子を計算(同類項をまとめる)するか、分子全体を共通因数でくくってから約分する。例:$\frac{8-4x}{4}=\frac{4(2-x)}{4}=2-x$。
解答解説
問1 の解説
分子は $4+2$ だから、まず分子を計算する。
$$ 4+2=6 $$
だから、
$$ \frac{4+2}{4}=\frac{6}{4} $$
となる。
ここで「分子の $4$ と分母の $4$ だけ約分」するのはまちがい。
分子は $6$ というひとつの数になっているので、$6$ と $4$ の共通因数 $2$ で約分する。
$$ \frac{6}{4}=\frac{3}{2} $$
答:$\frac{3}{2}$
問3 の解説
まず分子を計算する。
$$ 6+3=9 $$
だから、
$$ \frac{6+3}{3}=\frac{9}{3} $$
$9$ と $3$ は $3$ で割れる。
$$ \frac{9}{3}=3 $$
答:$3$
問5 の解説
まず分子を計算する。
$$ 8-4=4 $$
だから、
$$ \frac{8-4}{4}=\frac{4}{4} $$
$$ =1 $$
答:$1$
問7 の解説
まず分子を計算する。
$$ 4+2-3=3 $$
だから、
$$ \frac{4+2-3}{2}=\frac{3}{2} $$
分子 $3$ と分母 $2$ には $1$ 以外の共通因数がないので、これ以上約分できない。
答:$\frac{3}{2}$
問9 の解説
まず分子を計算する。
$$ 6+9=15 $$
だから、
$$ \frac{6+9}{3}=\frac{15}{3} $$
$$ =5 $$
答:$5$
問11 の解説
まず分子を計算する。
$$ 10+5=15 $$
だから、
$$ \frac{10+5}{5}=\frac{15}{5} $$
$$ =3 $$
答:$3$
問13 の解説
まず分子を計算する。
$$ 12-4=8 $$
だから、
$$ \frac{12-4}{4}=\frac{8}{4} $$
$$ =2 $$
答:$2$
問14 の解説
まず分子を計算する。
$$ 4+6=10 $$
だから、
$$ \frac{4+6}{2}=\frac{10}{2} $$
$$ =5 $$
答:$5$
問16 の解説
まず分子を計算する。
$$ 3+6+9=18 $$
だから、
$$ \frac{3+6+9}{3}=\frac{18}{3} $$
$$ =6 $$
答:$6$
問18 の解説
まず分子を計算する。
$$ 4-2+4=6 $$
だから、
$$ \frac{4-2+4}{2}=\frac{6}{2} $$
$$ =3 $$
答:$3$
問21 の解説
分子は $4\sqrt{2}+2\sqrt{2}$ で、$\sqrt{2}$ の係数どうしをたすと $6\sqrt{2}$ になる。
$$ 4\sqrt{2}+2\sqrt{2}=6\sqrt{2} $$
だから、
$$ \frac{4\sqrt{2}+2\sqrt{2}}{4}=\frac{6\sqrt{2}}{4} $$
分子の $6$ と分母の $4$ の共通因数 $2$ で約分する。
$$ \frac{6\sqrt{2}}{4}=\frac{3\sqrt{2}}{2} $$
答:$\frac{3\sqrt{2}}{2}$
問22 の解説
まず分子を計算する。
$$ 2\sqrt{2}+4\sqrt{2}=6\sqrt{2} $$
だから、
$$ \frac{2\sqrt{2}+4\sqrt{2}}{6}=\frac{6\sqrt{2}}{6} $$
$$ =\sqrt{2} $$
答:$\sqrt{2}$
問23 の解説
まず分子を計算する。
$$ 6\sqrt{3}+2\sqrt{3}=8\sqrt{3} $$
だから、
$$ \frac{6\sqrt{3}+2\sqrt{3}}{4\sqrt{3}}=\frac{8\sqrt{3}}{4\sqrt{3}} $$
分子と分母の $\sqrt{3}$ は約分できる。$8$ と $4$ は $4$ で割れる。
$$ \frac{8\sqrt{3}}{4\sqrt{3}}=\frac{8}{4} $$
$$ =2 $$
答:$2$
問24 の解説
まず分子を計算する。
$$ 4\sqrt{3}+2\sqrt{3}=6\sqrt{3} $$
だから、
$$ \frac{4\sqrt{3}+2\sqrt{3}}{4\sqrt{3}}=\frac{6\sqrt{3}}{4\sqrt{3}} $$
$\sqrt{3}$ は約分できる。
$$ \frac{6\sqrt{3}}{4\sqrt{3}}=\frac{6}{4} $$
$$ =\frac{3}{2} $$
答:$\frac{3}{2}$
問25 の解説
まず分子を計算する。
$$ 5\sqrt{2}+\sqrt{2}=6\sqrt{2} $$
だから、
$$ \frac{5\sqrt{2}+\sqrt{2}}{4\sqrt{2}}=\frac{6\sqrt{2}}{4\sqrt{2}} $$
$\sqrt{2}$ は約分できる。
$$ \frac{6\sqrt{2}}{4\sqrt{2}}=\frac{6}{4} $$
$$ =\frac{3}{2} $$
答:$\frac{3}{2}$
問26 の解説
まず分子を計算する。
$$ \sqrt{2}+2\sqrt{2}+\sqrt{2}=4\sqrt{2} $$
だから、
$$ \frac{\sqrt{2}+2\sqrt{2}+\sqrt{2}}{2\sqrt{2}}=\frac{4\sqrt{2}}{2\sqrt{2}} $$
$\sqrt{2}$ は約分できる。
$$ \frac{4\sqrt{2}}{2\sqrt{2}}=\frac{4}{2} $$
$$ =2 $$
答:$2$
問27 の解説
まず分子を計算する。
$$ 8+4=12 $$
だから、
$$ \frac{8+4}{4\sqrt{2}}=\frac{12}{4\sqrt{2}} $$
分子 $12$ と分母 $4$ の共通因数 $4$ で約分する。
$$ \frac{12}{4\sqrt{2}}=\frac{3}{\sqrt{2}} $$
分母にルートが残っているので、有理化する。分母・分子に $\sqrt{2}$ をかける。
$$ \frac{3}{\sqrt{2}}=\frac{3\times\sqrt{2}}{\sqrt{2}\times\sqrt{2}} $$
$$ =\frac{3\sqrt{2}}{2} $$
答:$\frac{3\sqrt{2}}{2}$
問28 の解説
分子 $4+2\sqrt{3}$ は、$2$ が共通因数としてくくれる。
$$ 4+2\sqrt{3}=2\times 2+2\times\sqrt{3}=2(2+\sqrt{3}) $$
だから、
$$ \frac{4+2\sqrt{3}}{2}=\frac{2(2+\sqrt{3})}{2} $$
分母の $2$ と分子の因数 $2$ で約分する。
$$ \frac{2(2+\sqrt{3})}{2}=2+\sqrt{3} $$
答:$2+\sqrt{3}$
問29 の解説
分子 $6+2\sqrt{3}$ は、$2$ が共通因数としてくくれる。
$$ 6+2\sqrt{3}=2\times 3+2\times\sqrt{3}=2(3+\sqrt{3}) $$
だから、
$$ \frac{6+2\sqrt{3}}{2}=\frac{2(3+\sqrt{3})}{2} $$
$$ =3+\sqrt{3} $$
答:$3+\sqrt{3}$
問30 の解説
写真のまちがいを防ぐ問題である。分子の $4$ と分母の $4$ だけを約分してはいけない。
まず分子を計算する。
$$ 4+2-3+2\sqrt{3}-1=4+2-3-1+2\sqrt{3} $$
数の部分だけ先にたす・ひく。
$$ 4+2-3-1=2 $$
だから、
$$ 4+2-3+2\sqrt{3}-1=2+2\sqrt{3} $$
$2$ が共通因数なのでくくる。
$$ 2+2\sqrt{3}=2(1+\sqrt{3}) $$
だから、
$$ \frac{4+2-3+2\sqrt{3}-1}{4\sqrt{2}}=\frac{2(1+\sqrt{3})}{4\sqrt{2}} $$
分子の $2$ と分母の $4$ の共通因数 $2$ で約分する。
$$ \frac{2(1+\sqrt{3})}{4\sqrt{2}}=\frac{1+\sqrt{3}}{2\sqrt{2}} $$
分母にルートが残っているので、有理化する。分母・分子に $\sqrt{2}$ をかける。
$$ \frac{1+\sqrt{3}}{2\sqrt{2}}=\frac{(1+\sqrt{3})\times\sqrt{2}}{2\sqrt{2}\times\sqrt{2}} $$
$$ =\frac{\sqrt{2}+\sqrt{6}}{4} $$
答:$\frac{\sqrt{2}+\sqrt{6}}{4}$
問2 の解説
分子は $2a+4$ で、$2$ が共通因数としてくくれる。
$$ 2a+4=2\times a+2\times 2=2(a+2) $$
だから、
$$ \frac{2a+4}{2}=\frac{2(a+2)}{2} $$
分母の $2$ と分子の因数 $2$ で約分する。分子の $2a$ と分母の $2$ だけを約分するのはまちがい。
$$ \frac{2(a+2)}{2}=a+2 $$
答:$a+2$
問4 の解説
分子は $3x+6$ で、$3$ が共通因数としてくくれる。
$$ 3x+6=3\times x+3\times 2=3(x+2) $$
だから、
$$ \frac{3x+6}{3}=\frac{3(x+2)}{3} $$
$$ =x+2 $$
答:$x+2$
問06 の解説
分子は $6a-2a$ で、同類項なのでひき算できる。
$$ 6a-2a=4a $$
だから、
$$ \frac{6a-2a}{4}=\frac{4a}{4} $$
$$ =a $$
答:$a$
問8 の解説
分子は $8-4x$ で、$4$ が共通因数としてくくれる。
$$ 8-4x=4\times 2-4\times x=4(2-x) $$
だから、
$$ \frac{8-4x}{4}=\frac{4(2-x)}{4} $$
$$ =2-x $$
答:$2-x$
問10 の解説
分子は $2a+3b$ で、$a$ と $b$ は同類項ではないので、それ以上まとめられない。
このとき、分母の $2$ と分子の $2a$ だけを約分してはいけない。
分数は $\frac{2a+3b}{2}=\frac{2a}{2}+\frac{3b}{2}$ と、項ごとに分けて考えてよい。
$$ \frac{2a}{2}=a $$
$$ \frac{3b}{2}=\frac{3b}{2} $$
だから、
$$ \frac{2a+3b}{2}=a+\frac{3b}{2} $$
答:$a+\frac{3b}{2}$
問12 の解説
分子は $3x-2y$ で、$x$ と $y$ は同類項ではないので、それ以上まとめられない。
分母の $3$ と分子の $3x$ だけを約分してはいけない。
分数を項ごとに分ける。
$$ \frac{3x-2y}{3}=\frac{3x}{3}+\frac{-2y}{3} $$
$$ =x-\frac{2y}{3} $$
答:$x-\frac{2y}{3}$
問15 の解説
分子は $9x-3$ で、$3$ が共通因数としてくくれる。
$$ 9x-3=3\times 3x-3\times 1=3(3x-1) $$
だから、
$$ \frac{9x-3}{3}=\frac{3(3x-1)}{3} $$
$$ =3x-1 $$
答:$3x-1$
問17 の解説
分子は $10-5a$ で、$5$ が共通因数としてくくれる。
$$ 10-5a=5\times 2-5\times a=5(2-a) $$
だから、
$$ \frac{10-5a}{5}=\frac{5(2-a)}{5} $$
$$ =2-a $$
答:$2-a$
問19 の解説
分子は $4x+2y$ で、$2$ が共通因数としてくくれる。
$$ 4x+2y=2\times 2x+2\times y=2(2x+y) $$
だから、
$$ \frac{4x+2y}{2}=\frac{2(2x+y)}{2} $$
$$ =2x+y $$
答:$2x+y$
問20 の解説
分子は $6-4b$ で、$2$ が共通因数としてくくれる。
$$ 6-4b=2\times 3-2\times 2b=2(3-2b) $$
だから、
$$ \frac{6-4b}{2}=\frac{2(3-2b)}{2} $$
$$ =3-2b $$
答:$3-2b$