等差数列の和が最大になるとき

【問題】

263 第10項が $81$ 、第25項が $51$ の等差数列 ${a_n}$ がある。

(1) 一般項 $a_n$ を求めよ。

(2) 初項から第 $n$ 項までの和を $S_n$ とする。$S_n$ が最大になるときの $n$ とそのときの $S_n$ の値を求めよ。

(広島工業大)★★


まずは自力で解いてみよう。「和が最大になる」という条件は、公差の符号と深く関係している。その理由を考えながら解いてみてほしい。


【解説と解答】等差数列の和が最大になる条件の求め方

導入:公差が負のとき、和はいつ最大になる?

この問題のポイントは (2) だ。等差数列の和 $S_n$ が「最大」になる $n$ を求めるには、公差の符号を確認する必要がある。

  • 公差 $d > 0$:項は増え続ける → $S_n$ は $n$ が大きいほど大きくなる(最大は「無限大」に近づく)
  • 公差 $d < 0$:項は減り続け、やがて負になる → 正の項を足し切ったところで $S_n$ が最大になる

今回の数列は、第10項 $81$ から第25項 $51$ へ減っているので、公差は負だ。だから「和が最大になる $n$」が存在する。


使う武器(公式)

  • 等差数列の一般項:$a_n = a_1 + (n-1)d$
  • 等差数列の和:$S_n = \frac{n}{2}(a_1 + a_n) = \frac{n}{2}\left(2a_1 + (n-1)d\right)$
  • 和が最大になる条件($d < 0$ のとき):$an \geq 0$ かつ $a{n+1} < 0$ となる $n$ のとき

(1) 一般項を求める

与えられていること:$a{10} = 81$ 、$a{25} = 51$

思考のプロセス:一般項を求めるには初項 $a_1$ と公差 $d$ が必要。2つの項がわかっているので、連立方程式で解く。

$$ a_{10} = a1 + 9d = 81 $$ $$ a{25} = a_1 + 24d = 51 $$

2式を引くと、

$$ 15d = 51 – 81 = -30 \quad \Rightarrow \quad d = -2 $$

$d = -2$ を $a_1 + 9d = 81$ に代入して、

$$ a_1 = 81 – 9 \times (-2) = 81 + 18 = 99 $$

よって一般項は、

$$ a_n = 99 + (n-1) \times (-2) = 101 – 2n $$

答:(1) $a_n = 101 – 2n$


(2) $S_n$ が最大になるときの $n$ とその値

$S_n$ の一般項:$a_1 = 99$ 、$d = -2$ を和の公式に代入する。

$$ S_n = \frac{n}{2} \left( 2a_1 + (n-1)d \right) = \frac{n}{2} \left( 2 \times 99 + (n-1) \times (-2) \right) = \frac{n}{2} (198 – 2n + 2) = \frac{n}{2}(200 – 2n) = n(100 – n) $$

よって $S_n = n(100 – n)$ である。

思考のプロセス:$d = -2 < 0$ なので、数列は減り続け、やがて負になる。$S_n$ は「正の項を足し切ったところ」で最大になる。つまり、$an \geq 0$ かつ $a{n+1} < 0$ となる $n$ を探す。

$$ an = 101 – 2n \geq 0 \quad \Rightarrow \quad n \leq 50.5 \quad \Rightarrow \quad n \leq 50 $$ $$ a{n+1} = 101 – 2(n+1) 49.5 \quad \Rightarrow \quad n \geq 50 $$

両方を満たすのは $n = 50$ のみ。このとき $a{50} = 101 – 100 = 1$(最後の正の項)、$a{51} = -1$(最初の負の項)となる。

よって、$S_n$ が最大になるのは $n = 50$ のとき。

$$ S_{50} = \frac{50}{2} \left( a1 + a{50} \right) = 25 \times (99 + 1) = 25 \times 100 = 2500 $$

答:(2) $n = 50$ のとき、$S_n$ は最大値 $2500$ をとる


【最強の暗記法:絞り込みリコールシート】

□ 問題:等差数列の和 $S_n$ が「最大」になる問題で、公差 $d$ が正のときはどうなるか?

□ 答:$d > 0$ のとき、項は増え続けるので $S_n$ は $n$ が大きいほど大きくなる。最大値は存在しない(無限大に近づく)。


□ 問題:公差 $d < 0$ の等差数列で、$S_n$ が最大になる $n$ の条件を不等式で表すと?

□ 答:$an \geq 0$ かつ $a{n+1} < 0$ 。つまり「最後に足す項が非負で、その次の項が負」のとき。


□ 問題:$a_n = 101 – 2n$ で、$a_n$ が初めて負になる $n$ はいくつか?

□ 答:$n = 51$ 。$a{50} = 1$ 、$a{51} = -1$ なので、51項目で初めて負になる。


□ 問題:「正の項を足し切ったところで和が最大」になる理由を一言で言うと?

□ 答:それ以降は負の項を足すことになり、和が減り始めるから。


□ 問題:2つの項 $a{10}$ と $a{25}$ から公差 $d$ を求めるには、どのように式を処理するか?

□ 答:$a{25} – a{10} = 15d$ として、2式の差をとる。項番号の差が15なので、$15d$ が求まる。


□ 問題:等差数列で「一般項が求まったら、和の最大を考えるとき何をチェックするか?」

□ 答:公差の符号。$d < 0$ なら「$a_n \geq 0$ となる最大の $n$」を探す。


□ 問題:$S_n = \frac{n}{2}(a_1 + a_n)$ で、$a_n$ が小さいほど $S_n$ はどうなるか?($n$ は固定)

□ 答:小さくなる。$a_1 + a_n$ が小さくなるから。だから負の項を足し始めると $S_n$ は減る。


□ 問題:広島工業大のこの問題の難易度は ★★ 。「和が最大」の条件を理解していれば解ける。その条件とは?

□ 答:公差が負のとき、$an \geq 0$ かつ $a{n+1} < 0$ となる $n$ で $S_n$ が最大。


【まとめ】

  • 一般項:2つの項がわかれば、連立方程式で初項と公差を求められる。
  • 和が最大になる条件($d < 0$ のとき):$an \geq 0$ かつ $a{n+1} < 0$ となる $n$ のとき。つまり「正の項を足し切ったところ」で最大。
  • 公差が負の等差数列は、現実の「減衰」や「在庫の減少」などにも応用される考え方だ。

【解き直しのすすめ】

「和が最大」の問題は、なぜその $n$ で最大になるのかを自分の言葉で説明できるまで解き直すとよい。公差の符号と、項が負に転じるタイミングの関係を理解すると、似た問題も迷わず解ける。

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