【問題】
x軸上を正の向きに進む波長 $4.0\,\mathrm{m}$ の波が $x = 10.0\,\mathrm{m}$ にある壁で反射されている。
(1) 壁が自由端の場合、$0\,\mathrm{m} \leq x \leq 10.0\,\mathrm{m}$ の範囲にできる腹の数はいくつか。
(2) 壁が固定端の場合、$0\,\mathrm{m} \leq x \leq 10.0\,\mathrm{m}$ の範囲にできる腹の数はいくつか。
まずは自分の力で解いてみてください。自由端と固定端の違いを思い出しながら、腹の位置を考えてみましょう。
いまから解説します。自分の力で解きましたか?
【解説と解答】反射と定在波|自由端・固定端で腹の数が変わる理由
導入:定在波の「腹」と境界条件
定在波の問題でつまずきやすいのは、自由端と固定端で節・腹の位置が逆になるという点です。
- 自由端:壁が波の変位を妨げない → 反射点で腹(振幅最大)
- 固定端:壁が波を固定 → 反射点で節(振幅ゼロ)
「腹」とは、定在波で振幅が最大になる点のこと。節と腹の間隔は常に $\frac{\lambda}{4}$ です。
この問題では、波長 $\lambda = 4.0\,\mathrm{m}$ だから、節と腹の間隔は $\frac{\lambda}{2} = 2.0\,\mathrm{m}$ です。この「2 m 間隔」を基準に、壁 $x = 10\,\mathrm{m}$ から逆向きに数えていきます。
使う武器(公式・定理)
- 腹の間隔:隣り合う腹どうしの距離は $\frac{\lambda}{2}$
- 節の間隔:隣り合う節どうしの距離も $\frac{\lambda}{2}$
- 自由端:反射点に腹ができる
- 固定端:反射点に節ができる
既習の方はこのセクションを読み飛ばしてOKです。
思考のプロセス(Step by Step)
共通の前提
- 波長:$\lambda = 4.0\,\mathrm{m}$
- 腹どうし(または節どうし)の間隔:$\frac{\lambda}{2} = 2.0\,\mathrm{m}$
- 範囲:$0 \leq x \leq 10\,\mathrm{m}$
(1) 壁が自由端の場合
ステップ1:自由端では反射点に腹ができる。したがって $x = 10\,\mathrm{m}$ は腹である。
ステップ2:腹の間隔は $2.0\,\mathrm{m}$ だから、$x = 10$ から左に $2\,\mathrm{m}$ ごとに腹が並ぶ。
$$ x = 10,\ 8,\ 6,\ 4,\ 2,\ 0 $$
ステップ3:$0 \leq x \leq 10$ の範囲内にある腹を数える。
$$ 10,\ 8,\ 6,\ 4,\ 2,\ 0 \quad \Rightarrow \quad 6\,\text{個} $$
答:(1) 腹の数は 6個
(2) 壁が固定端の場合
ステップ1:固定端では反射点に節ができる。したがって $x = 10\,\mathrm{m}$ は節である。
ステップ2:節の間隔は $2.0\,\mathrm{m}$ だから、$x = 10$ から左に $2\,\mathrm{m}$ ごとに節が並ぶ。
$$ \text{節の位置:} \quad x = 10,\ 8,\ 6,\ 4,\ 2,\ 0 $$
ステップ3:腹は節と節のちょうど中間にできる。したがって、
$$ \text{腹の位置:} \quad x = 1,\ 3,\ 5,\ 7,\ 9 $$
ステップ4:$0 \leq x \leq 10$ の範囲内にある腹を数える。
$$ 1,\ 3,\ 5,\ 7,\ 9 \quad \Rightarrow \quad 5\,\text{個} $$
答:(2) 腹の数は 5個
解答
| 条件 | 腹の数 |
|---|---|
| (1) 自由端 | 6個 |
| (2) 固定端 | 5個 |
【まとめ】
- 自由端:反射点が腹 → 腹の間隔 $\frac{\lambda}{2} = 2\,\mathrm{m}$ で、$x = 0,\ 2,\ 4,\ 6,\ 8,\ 10$ に6個
- 固定端:反射点が節 → 節が $0,\ 2,\ 4,\ 6,\ 8,\ 10$ にあり、その間の $1,\ 3,\ 5,\ 7,\ 9$ に腹が5個
- 覚え方:「自由=ゆるい=腹」「固定=動かない=節」とセットで覚える
【解き直しのすすめ】
「わかったつもり」を防ぐには、図を描いて腹と節をプロットしてみるのがいちばんです。
明日、何も見ずにこの問題が解けるかテストしてみてください。それが本当の実力です。
【最強の暗記法:絞り込みリコールシート】
□ 問題:自由端で反射するとき、反射点(壁の位置)には節と腹のどちらができるか?
□ 答:腹。自由端では変位が最大になるので、振幅最大の点=腹ができる。
□ 問題:固定端で反射するとき、反射点には節と腹のどちらができるか?
□ 答:節。固定端では変位が常に0なので、振幅ゼロの点=節ができる。
□ 問題:隣り合う腹どうしの距離は、波長 $\lambda$ を使うとどのように表せるか?
□ 答:$\frac{\lambda}{2}$ 。定在波では腹の間隔は半波長。
□ 問題:隣り合う節どうしの距離は?
□ 答:$\frac{\lambda}{2}$ 。節の間隔も腹の間隔と同じく半波長。
□ 問題:腹と節の間の距離は?
□ 答:$\frac{\lambda}{4}$ 。節と腹は四分の一波長ずつ離れている。
□ 問題:波長 $4\,\mathrm{m}$ のとき、腹の間隔は何 m か?
□ 答:$2\,\mathrm{m}$ 。$\frac{\lambda}{2} = \frac{4}{2} = 2$ 。
□ 問題:自由端が $x = 10\,\mathrm{m}$ のとき、その左側の腹の位置を $2\,\mathrm{m}$ 間隔で列挙すると?
□ 答:$x = 10,\ 8,\ 6,\ 4,\ 2,\ 0$ 。反射点から左向きに $\frac{\lambda}{2}$ ごとに腹が並ぶ。
□ 問題:固定端が $x = 10\,\mathrm{m}$ のとき、節の位置を列挙すると?
□ 答:$x = 10,\ 8,\ 6,\ 4,\ 2,\ 0$ 。固定端は節だから、$2\,\mathrm{m}$ 間隔で節が並ぶ。
□ 問題:節が $0,\ 2,\ 4,\ 6,\ 8,\ 10$ にあるとき、腹の位置は?
□ 答:節と節の中間だから、$x = 1,\ 3,\ 5,\ 7,\ 9$ 。腹は5個。
□ 問題:なぜ自由端では腹が、固定端では節ができるのか、物理的な理由を簡潔に述べよ。
□ 答:自由端は変位が制限されず最大振動するから腹。固定端は変位が常に0に固定されるから節。
□ 問題:進行波が壁で反射して定在波ができるとき、「入射波」と「反射波」の重ね合わせで何が生じるか?
□ 答:節(振幅ゼロ)と腹(振幅最大)が空間的に固定された定在波ができる。
□ 問題:この問題で $0 \leq x \leq 10$ の範囲を考える理由は?
□ 答:壁が $x = 10$ にあり、入射波が正の向きに進むので、壁の左側 $0 \sim 10\,\mathrm{m}$ の区間で定在波が形成されるから。
【友達に教えてあげよう】
「反射と定在波」の単元で、「自由端と固定端、どっちが節でどっちが腹?」と悩んでいる友達、周りにいませんか?
この解説を読んだあなたは、もう「自由端=腹」「固定端=節」という境界条件と、腹・節の間隔 $\frac{\lambda}{2}$ という武器を手に入れています。たった数分でここまで整理できる解説は、なかなかありません。
ラーニングピラミッドでは、「人に教える」ことが最も定着率の高い学習法だとされています。友達にURLを送るだけでなく、「自由端だと反射点が腹になるんだよ」と自分の言葉で説明してみてください。教えるつもりで解くと、曖昧だった部分がはっきりしてきます。
もし周りに同じ単元で悩んでいる友達がいたら、このページのURLを送ってあげてください。あなたの一言が、友達の「わからない」を「わかった!」に変えるかもしれません。