-2sinθ+1 のとりうる値を不等式変形で求める

【問題】

$0° \leqq \theta \leqq 180°$ とする。 $-2\sin\theta + 1$ のとりうる値の範囲を求めよ。

まずは自分の力で解いてみてください。 $\sin\theta$ の範囲から出発することを意識すると、ひらめきやすくなります。

いまから解説します。自分の力で解きましたか?


【解説と解答】三角関数の式の値の範囲を不等式変形で求める

導入

「式の値の範囲」を求めよ、という問題では、 三角関数( $\sin\theta$ や $\cos\theta$ )を「文字」のように扱い、不等式変形する のが基本です。

とはいえ、「どの順番で何を考えると、解けるか」が難しいですよね。ここでは、 「どのように考えを進めると、答えにたどり着けるか」 という取っ掛かりを、初心者向けに丁寧に説明します。


「解き方」を思い出すための取っ掛かり(初心者向け)

ステップ1:式の形に注目する

$-2\sin\theta + 1$ という式を見てください。

  • 「 $\sin\theta$ の1次式」になっている
  • 「 $\sin\theta$ を $t$ のように文字で置いて、 $t$ の範囲から $-2t+1$ の範囲を求める」という発想が使える

なぜこの形に注目するか: 三角関数の値の範囲の問題では、 まず $\sin\theta$(または $\cos\theta$ )の範囲を求め、それを不等式変形で目的の式に持ち込む という手順がほぼ決まりです。 「 $\sin\theta$ の1次式」だからこそ、この手順が使えます。


ステップ2: $\theta$ の範囲から $\sin\theta$ の範囲を求める

$0° \leqq \theta \leqq 180°$ のとき、 $\sin\theta$ は $0$ から $1$ まで、そして $1$ から $0$ まで変化します。

$$ 0 \leqq \sin\theta \leqq 1 $$

なぜここから始めるか: 目的の式 $-2\sin\theta + 1$ は $\sin\theta$ の関数です。 $\sin\theta$ のとりうる範囲がわかれば、それを「 $-2$ をかけて $1$ を足す」操作で、目的の式の範囲に変形できます。


ステップ3:不等式変形の注意点を思い出す

次に、 $0 \leqq \sin\theta \leqq 1$ の各辺に $-2$ をかけます。

ここが最重要:負の数をかけると、不等号の向きが変わる。

$$ -2 \leqq -2\sin\theta \leqq 0 $$

( $0$ に $-2$ をかけると $0$ 、 $1$ に $-2$ をかけると $-2$ 。小さい方と大きい方が入れ替わるので、不等号の向きが逆になります。)


この問題でつまずきやすいポイントは以下の3つです:

  • $\sin\theta$ の範囲を先に求める という手順を思いつかない
  • 負の数をかけると不等号の向きが変わる ことを忘れる
  • $\theta$ と $\sin\theta$ の対応( $0° \to 0$ 、 $90° \to 1$ 、 $180° \to 0$ )をイメージできない

一緒に見ていきましょう。


使う武器(公式・定理)

1. $0° \leqq \theta \leqq 180°$ のときの $\sin\theta$ の範囲

$$ 0 \leqq \sin\theta \leqq 1 $$

$\theta$ が $0°$ から $180°$ まで変化すると、 $\sin\theta$ は $0 \to 1 \to 0$ と変化します。


2. 不等式の性質(負の数をかける・足す)

  • 負の数をかける:各辺に負の数をかけると、不等号の向きが逆になる
    • 例: $a \leqq b$ のとき、 $k < 0$ なら $ka \geqq kb$
  • 数を足す:各辺に同じ数を足しても、不等号の向きは変わらない

既習の方はこのセクションを読み飛ばして構いません。


思考のプロセス(Step by Step)


Step 1: $\sin\theta$ の範囲を求める

$0° \leqq \theta \leqq 180°$ のとき、

$$ 0 \leqq \sin\theta \leqq 1 $$

です。


Step 2:各辺に $-2$ をかける

負の数をかけるので、 不等号の向きが逆 になります。

$$ -2 \leqq -2\sin\theta \leqq 0 $$


Step 3:各辺に $1$ を足す

$$ -1 \leqq -2\sin\theta + 1 \leqq 1 $$


解答

$$ -1 \leqq -2\sin\theta + 1 \leqq 1 $$


【補足】 $\theta$ と式の値の対応

理解の確認用に、 $\theta$ が $0°$ 、 $90°$ 、 $180°$ のときの値を挙げます。

$\theta$ $0°$ $90°$ $180°$
$\sin\theta$ $0$ $1$ $0$
$-2\sin\theta + 1$ $1$ $-1$ $1$

$\theta$ が $0°$ から $180°$ まで変化すると、 $-2\sin\theta + 1$ は $1$ から $-1$ を経由して $1$ に戻ります。最小値 $-1$ 、最大値 $1$ であり、その間の値もすべてとります。


【まとめ】三角関数の式の値の範囲を求めるポイント

  • $\sin\theta$(または $\cos\theta$ )の1次式 の範囲は、① $\sin\theta$ の範囲を求める → ② 不等式変形 で求まる
  • 負の数をかけるときは、不等号の向きを逆にする
  • 各辺に数を足すだけなら、不等号の向きは変わらない
  • $\theta$ が $0° \sim 180°$ のとき、 $\sin\theta$ は $0 \leqq \sin\theta \leqq 1$

【解き直しのすすめ】本当に理解できているか確認する

「わかったつもり」を防ぐには、 何も見ずに自分の手で解き直す ことが大切です。

解説を読む(インプット)と、自分で解く(アウトプット)は別の力です。解説を見ながらだと「理解した気」になってしまいます。

明日、何も見ずにこの問題が解けるかテストしてみてください。それが本当の実力です。


【最強の暗記法:絞り込みリコールシート】

□ 問題: $0° \leqq \theta \leqq 180°$ のとき、 $\sin\theta$ のとりうる値の範囲は?

□ 答: $0 \leqq \sin\theta \leqq 1$


□ 問題:不等式の各辺に負の数をかけると、不等号はどうなるか?

□ 答:向きが逆になる( $a \leqq b$ かつ $k < 0$ なら $ka \geqq kb$ )


□ 問題: $-2\sin\theta + 1$ の範囲を求める手順は?

□ 答:① $0 \leqq \sin\theta \leqq 1$ ② 各辺に $-2$ をかけて $-2 \leqq -2\sin\theta \leqq 0$ ③ 各辺に $1$ を足して $-1 \leqq -2\sin\theta + 1 \leqq 1$


□ 問題: $\theta = 90°$ のとき、 $-2\sin\theta + 1$ の値は?

□ 答: $\sin 90° = 1$ より、 $-2 \times 1 + 1 = -1$


□ 問題: 三角関数の「式の値の範囲」の問題で、最初に求めるべきものは?

□ 答: $\sin\theta$ または $\cos\theta$ のとりうる範囲


□ 問題: 不等号の向きが変わる操作と、変わらない操作を挙げよ。

□ 答:変わる=負の数をかける、負の数で割る。変わらない=正の数をかける、数を足す・引く


□ 問題: 「 $\sin\theta$ の1次式」の範囲を求める際の基本方針は?

□ 答: $\sin\theta$ を文字のように扱い、 $\sin\theta$ の範囲から不等式変形で目的の式の範囲に持ち込む


□ 問題: $0° \leqq \theta \leqq 180°$ のとき、 $\sin\theta$ が最小・最大になる $\theta$ は?

□ 答:最小 $0$ は $\theta = 0°$ および $180°$ 、最大 $1$ は $\theta = 90°$


□ 問題: $-2\sin\theta + 1$ が最小値 $-1$ をとるのは $\theta$ がいくつのときか?

□ 答: $\sin\theta = 1$ のとき、つまり $\theta = 90°$ のとき


□ 問題: 不等式変形でミスしやすいポイントは?

□ 答:負の数をかけたときに、不等号の向きを逆にするのを忘れること


【友達に教えてあげよう】

三角関数の「式の値の範囲」でつまずいている友達、周りにいませんか? 負の数をかけると不等号が逆になる、というところでよくミスする単元です。

この解説を読んだあなたは、もう $\sin\theta$ の範囲から出発する手順と、不等式変形の注意点を押さえています。たった数分で、入試頻出のパターンを身につけられる解説は、なかなかありません。

人に教えると、自分の理解が深まります。ラーニングピラミッドでも「教える」が最も定着率の高い学習法といわれています。このページのURLを送るだけでなく、 友達に解き方を自分の言葉で説明してみてください 。教えるつもりで解くと、曖昧だった部分がはっきりします。説明できたら、本物の理解です。

もし周りに同じ問題で悩んでいる友達がいたら、このページのURLを送ってあげてください。あなたの一言が、友達の「わからない」を「わかった!」に変えるかもしれません。

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