【問題】
- 気体の反応と体積変化 温度と圧力を一定に保ち、$1000 \text{ mL}$ の酸素中で放電したところ、一部の酸素が反応し、オゾン $O_3$ が生成した。反応後の気体の全体積は $960 \text{ mL}$ であった。反応後の気体に含まれるオゾンの体積は、同温・同圧に換算して何 $\text{ mL}$ か。
まずは、自分の力で解いてみましょう!
化学反応前後の「変化量」に注目するのがポイントです。
「いまから解説します。自分の力で一度解いてみましたか?」
【解説と解答】化学反応と気体の体積変化(アボガドロの法則)
導入
この問題は、化学反応に伴う「体積の減少」から、生成物の量を逆算する典型的な問題です。
多くの生徒が「反応した量」と「残った量」を混同してしまいがちですが、「反応前・変化量・反応後」の3段計算(マトリックス)をしっかり書くことで、視覚的に整理してミスを防ぐことができます。
使う武器(公式・定理)
1. 化学反応式
まずは、酸素( $O_2$ )からオゾン( $O_3$ )ができる反応式を書けるようにしましょう。
$$ 3O_2 \longrightarrow 2O_3 $$
2. アボガドロの法則
「同温・同圧において、気体の体積は、その物質量(モル数)に比例する」という法則です。
つまり、化学反応式の係数の比は、そのまま気体の体積の比として扱うことができます。 わざわざ $mol$ に直さなくても、$mL$ のまま計算できるのがこの問題のミソです。
思考のプロセス(Step by Step)
Step 1:反応式と係数比を確認する
反応式は $3O_2 \longrightarrow 2O_3$ です。
これは、「酸素が $3$ 減ると、オゾンが $2$ 増える」ことを意味します。
Step 2:変化量を文字でおく
生成したオゾンの体積を $2x \text{ [mL]}$ とおきます(係数が $2$ なので $2x$ とおくと計算が楽になります)。
このとき、反応した(減った)酸素の体積は、係数比 $3:2$ より $3x \text{ [mL]}$ となります。
Step 3:反応前後の体積を整理する
表の形式で整理してみましょう。
| 状態 | $3O_2$ | $\longrightarrow$ | $2O_3$ | 全体積 |
|---|---|---|---|---|
| 反応前 | $1000$ | $0$ | $1000$ | |
| 変化量 | $-3x$ | $+2x$ | $-x$ | |
| 反応後 | $1000 – 3x$ | $2x$ | $1000 – x$ |
Step 4:方程式を立てて解く
問題文より、反応後の全体積が $960 \text{ mL}$ なので、以下の式が成り立ちます。
$$ 1000 – x = 960 $$
これを解くと、
$$ x = 40 $$
求めたいのは「オゾンの体積( $2x$ )」なので、
$$ 2 \times 40 = 80 \text{ [mL]} $$
解答
$$ 80 \text{ mL} $$
【まとめ】気体の体積変化を解くコツ
- 化学反応式を正しく書く: 係数比がすべての計算の土台です。
- アボガドロの法則を活用: 同温・同圧なら「係数比=体積比」で直感的に解けます。
- 3段計算を書く: 「反応前・変化・反応後」を書き出し、全体積の変化(今回の場合は $1000 – 960 = 40$ の減少)に注目しましょう。
【解き直しのすすめ】
「解説を読んで納得した」だけでは、まだ自分の武器にはなっていません。
インプット(理解)とアウトプット(自力で解く)の間には大きな溝があります。
「明日、何も見ずにこの問題が解けるかテストしてみてください。それが本当の実力です」
もしスラスラと表を書いて $x$ を導き出せたら、この単元はもう大丈夫。自信を持って次の問題へ進みましょう!