【化学基礎】Fe₂O₃・CuOは水に溶けない!酸化物の分類 弱点克服18問

よくあるつまずき

ここは間違いやすいです。よく生徒が躓くところです。

酸化物を酸性酸化物と塩基性酸化物に分けるとき、 「水を入れたときに何が出るか」で判断していた 。$\text{CO}_2$ は $\text{H}_2\text{CO}_3$(酸)、$\text{CaO}$ は $\text{Ca(OH)}_2$(塩基)のように、水との反応式で見分けられていた。しかし $\text{Fe}_2\text{O}_3$(酸化鉄(III))は水にほとんど溶けないため、 水を入れても何が生成するかわからず、判断が止まってしまう

この問題集では、 水に溶けない酸化物 の扱いを中心に、酸化物の正しい分類のしかたを解説します。全18問で弱点を克服しましょう。


この問題を解くための基礎知識

酸性酸化物と塩基性酸化物の基本

酸性酸化物 は、水と反応して酸を与える酸化物です。

$$ \text{CO}_2 + \text{H}_2\text{O} \rightarrow \text{H}_2\text{CO}_3 $$

$\text{CO}_2$ に水を加えると炭酸 $\text{H}_2\text{CO}_3$ ができます。だから $\text{CO}_2$ は酸性酸化物です。

塩基性酸化物 は、水と反応して塩基(水酸化物)を与える酸化物です。

$$ \text{CaO} + \text{H}_2\text{O} \rightarrow \text{Ca(OH)}_2 $$

$\text{CaO}$ に水を加えると水酸化カルシウム $\text{Ca(OH)}_2$ ができます。だから $\text{CaO}$ は塩基性酸化物です。

この「水との反応」で見分けられるのは、 水に溶ける酸化物 だけです。


水に溶けない酸化物がある

$\text{Fe}_2\text{O}_3$(酸化鉄(III))や $\text{CuO}$(酸化銅(II))は、水にほとんど溶けません。

水を加えても、ほとんど反応しません。

だから、「水を入れたときに何が出るか」では判断できません。

ここで 2つの別の手がかり を使います。


手がかり①:金属か非金属か

金属の酸化物 は、ほとんどが塩基性酸化物です。

非金属の酸化物 は、ほとんどが酸性酸化物です。

元素 酸化物の例 種類
C(炭素)非金属 $\text{CO}_2$ 酸性
S(硫黄)非金属 $\text{SO}_2$ 酸性
Ca(カルシウム)金属 $\text{CaO}$ 塩基性
Na(ナトリウム)金属 $\text{Na}_2\text{O}$ 塩基性
Fe(鉄)金属 $\text{Fe}_2\text{O}_3$ 塩基性
Cu(銅)金属 $\text{CuO}$ 塩基性

$\text{Fe}_2\text{O}_3$ の Fe は金属です。だから塩基性酸化物と判断できます。

水との反応を知らなくても、 金属か非金属か でほぼ決まります。


手がかり②:酸と反応するか

塩基性酸化物は、 酸と反応して塩と水 を与えます。

$$ \text{Fe}_2\text{O}_3 + 6\text{HCl} \rightarrow 2\text{FeCl}_3 + 3\text{H}_2\text{O} $$

$\text{Fe}_2\text{O}_3$ は塩酸と反応します。だから塩基性酸化物です。

酸性酸化物は酸とは反応しません。塩基と反応します。


まとめ:水に溶けない酸化物の判断

判断のしかた 酸性酸化物 塩基性酸化物
元素 非金属の酸化物 金属の酸化物
水との反応 酸を与える 塩基を与える(溶けるもの)
酸との反応 反応しない 塩+水
塩基との反応 塩+水 反応しない

$\text{Fe}_2\text{O}_3$ のように水に溶けない場合は、 「金属の酸化物」 または 「酸と反応する」 で塩基性酸化物と判断します。


例題

例題1 $\text{CuO}$(酸化銅(II))は酸性酸化物か、塩基性酸化物か。

Cu は金属です。金属の酸化物は塩基性酸化物。 答:塩基性酸化物


例題2 $\text{Fe}_2\text{O}_3$ と塩酸の完全中和の反応式を書け。

$\text{Fe}_2\text{O}_3$ には O が3個ある。1つの O が $\text{H}_2\text{O}$ 1個になるから、$\text{HCl}$ は6 mol 必要。

$$ \text{Fe}_2\text{O}_3 + 6\text{HCl} \rightarrow 2\text{FeCl}_3 + 3\text{H}_2\text{O} $$

答: $\text{Fe}_2\text{O}_3 + 6\text{HCl} \rightarrow 2\text{FeCl}_3 + 3\text{H}_2\text{O}$


問題

1

$\text{CuO}$(酸化銅(II))は酸性酸化物か、塩基性酸化物か。理由も簡潔に答えよ。


2

$\text{MgO}$(酸化マグネシウム)は酸性酸化物か、塩基性酸化物か。


3

$\text{SO}_3$(三酸化硫黄)は酸性酸化物か、塩基性酸化物か。


4

$\text{Fe}_2\text{O}_3$ と水を混ぜても、ほとんど反応しない。それにもかかわらず $\text{Fe}_2\text{O}_3$ が塩基性酸化物であるといえる理由を、2つ答えよ。


5

次の酸化物のうち、塩酸と反応するものをすべて選べ。

$\text{CO}_2$、$\text{CaO}$、$\text{SO}_2$、$\text{Fe}_2\text{O}_3$、$\text{CuO}$


6

$\text{CuO}$ と塩酸の完全中和の化学反応式を書け。


7

$\text{MgO}$ と塩酸の完全中和の化学反応式を書け。


8

次の酸化物のうち、水酸化ナトリウム水溶液と反応するものをすべて選べ。

$\text{CO}_2$、$\text{CaO}$、$\text{SO}_2$、$\text{Fe}_2\text{O}_3$、$\text{CuO}$


9

$\text{SO}_3$ と水の反応式を書け。生成する酸の名称も答えよ。


10

$\text{P}_2\text{O}_5$(五酸化二リン)は酸性酸化物か、塩基性酸化物か。理由も簡潔に答えよ。


11

$\text{Fe}_2\text{O}_3$ と水酸化ナトリウム水溶液は反応するか、反応しないか。理由も答えよ。


12

$\text{CO}_2$ は水と反応して酸を与えるが、$\text{Fe}_2\text{O}_3$ は水とほとんど反応しない。それでも $\text{CO}_2$ が酸性酸化物、$\text{Fe}_2\text{O}_3$ が塩基性酸化物と分類できる理由を、「金属」「非金属」「酸との反応」の語を使って説明せよ。


13

$\text{CuO}$ と水酸化ナトリウム水溶液を混ぜた。反応式を書くか、「反応しない」と答えよ。


14

$\text{N}_2\text{O}_5$(五酸化二窒素)は酸性酸化物か、塩基性酸化物か。


15

水に溶けて塩基を示す酸化物を2つ挙げよ。化学式で答えよ。


16

水にほとんど溶けないが、塩基性酸化物である酸化物を2つ挙げよ。化学式で答えよ。


17

$\text{SO}_3$ と水酸化ナトリウムの完全中和の化学反応式を書け。


18

酸化物 A は塩酸と反応して塩と水を与えたが、水酸化ナトリウムとは反応しなかった。A は酸性酸化物か、塩基性酸化物か。理由も答えよ。


解くときのポイント(酸化物の分類 弱点克服)

  • 水に溶ける酸化物:水との反応(酸 or 塩基)で判断できる。
  • 水に溶けない酸化物: 金属か非金属か で判断する。金属 → 塩基性、非金属 → 酸性。
  • 酸と反応する → 塩基性酸化物。塩基と反応する → 酸性酸化物。
  • $\text{Fe}_2\text{O}_3$、$\text{CuO}$、$\text{MgO}$ は水に溶けにくいが、金属の酸化物なので塩基性。
  • 塩基性酸化物と酸の反応:酸化物の O の数×2 が $\text{HCl}$ の係数になる。

解答解説

問1の解説

$\text{CuO}$ の Cu は銅。銅は金属です。

金属の酸化物は塩基性酸化物です。

だから $\text{CuO}$ は塩基性酸化物です。

答:塩基性酸化物。Cu は金属であり、金属の酸化物は塩基性酸化物であるから。


問2の解説

$\text{MgO}$ の Mg はマグネシウム。金属です。

金属の酸化物は塩基性酸化物です。

答:塩基性酸化物


問3の解説

$\text{SO}_3$ の S は硫黄。非金属です。

非金属の酸化物は酸性酸化物です。

答:酸性酸化物


問4の解説

$\text{Fe}_2\text{O}_3$ が塩基性酸化物といえる理由は次の2つです。

  1. Fe(鉄)は金属である。金属の酸化物は塩基性酸化物である。
  2. $\text{Fe}_2\text{O}_3$ は塩酸などの酸と反応して塩と水を与える。酸と反応するのは塩基性酸化物である。

答:① Fe は金属であり、金属の酸化物は塩基性酸化物だから。② $\text{Fe}_2\text{O}_3$ は酸と反応して塩と水を与えるから。


問5の解説

塩酸は酸です。酸と反応するのは塩基性酸化物です。

塩基性酸化物は金属の酸化物です。

$\text{CO}_2$ は非金属の酸化物 → 酸性酸化物 → 塩酸とは反応しない。

$\text{CaO}$ は金属の酸化物 → 塩基性酸化物 → 塩酸と反応する。

$\text{SO}_2$ は非金属の酸化物 → 酸性酸化物 → 塩酸とは反応しない。

$\text{Fe}_2\text{O}_3$ は金属の酸化物 → 塩基性酸化物 → 塩酸と反応する。

$\text{CuO}$ は金属の酸化物 → 塩基性酸化物 → 塩酸と反応する。

答:$\text{CaO}$、$\text{Fe}_2\text{O}_3$、$\text{CuO}$


問6の解説

$\text{CuO}$ は塩基性酸化物です。塩酸と中和します。

$\text{CuO}$ には O が1個あります。1つの O が $\text{H}_2\text{O}$ 1個になるので、$\text{HCl}$ は2 mol 必要です。

$$ \text{CuO} + 2\text{HCl} \rightarrow \text{CuCl}_2 + \text{H}_2\text{O} $$

答: $\text{CuO} + 2\text{HCl} \rightarrow \text{CuCl}_2 + \text{H}_2\text{O}$


問7の解説

$\text{MgO}$ は塩基性酸化物です。塩酸と中和します。

$\text{MgO}$ には O が1個あります。$\text{HCl}$ は2 mol 必要です。

$$ \text{MgO} + 2\text{HCl} \rightarrow \text{MgCl}_2 + \text{H}_2\text{O} $$

答: $\text{MgO} + 2\text{HCl} \rightarrow \text{MgCl}_2 + \text{H}_2\text{O}$


問8の解説

水酸化ナトリウムは塩基です。塩基と反応するのは酸性酸化物です。

酸性酸化物は非金属の酸化物です。

$\text{CO}_2$ → 酸性酸化物 → 水酸化ナトリウムと反応する。

$\text{CaO}$ → 塩基性酸化物 → 反応しない。

$\text{SO}_2$ → 酸性酸化物 → 水酸化ナトリウムと反応する。

$\text{Fe}_2\text{O}_3$ → 塩基性酸化物 → 反応しない。

$\text{CuO}$ → 塩基性酸化物 → 反応しない。

答:$\text{CO}_2$、$\text{SO}_2$


問9の解説

$\text{SO}_3$ は酸性酸化物です。水と反応して酸(硫酸)を与えます。

$$ \text{SO}_3 + \text{H}_2\text{O} \rightarrow \text{H}_2\text{SO}_4 $$

答: $\text{SO}_3 + \text{H}_2\text{O} \rightarrow \text{H}_2\text{SO}_4$、硫酸


問10の解説

$\text{P}_2\text{O}_5$ の P はリン。リンは非金属です。

非金属の酸化物は酸性酸化物です。

答:酸性酸化物。P(リン)は非金属であり、非金属の酸化物は酸性酸化物であるから。


問11の解説

$\text{Fe}_2\text{O}_3$ は塩基性酸化物です。

水酸化ナトリウムは塩基です。

塩基性酸化物と塩基は、同じ塩基の仲間です。

塩基と塩基は反応しません。

答:反応しない。$\text{Fe}_2\text{O}_3$ は塩基性酸化物、水酸化ナトリウムは塩基であり、塩基同士は反応しないから。


問12の解説

$\text{CO}_2$ は C(炭素)の酸化物です。C は非金属です。

非金属の酸化物は酸性酸化物です。

$\text{Fe}_2\text{O}_3$ は Fe(鉄)の酸化物です。Fe は金属です。

金属の酸化物は塩基性酸化物です。

また、$\text{CO}_2$ は酸とは反応しませんが、塩基とは反応します。これが酸性酸化物の性質です。

$\text{Fe}_2\text{O}_3$ は酸と反応して塩と水を与えますが、塩基とは反応しません。これが塩基性酸化物の性質です。

答:$\text{CO}_2$ は非金属の酸化物で、酸とは反応せず塩基と反応するため酸性酸化物。$\text{Fe}_2\text{O}_3$ は金属の酸化物で、酸と反応して塩と水を与え塩基とは反応しないため塩基性酸化物。


問13の解説

$\text{CuO}$ は塩基性酸化物です。

水酸化ナトリウムは塩基です。

塩基同士は反応しません。

答:反応しない


問14の解説

$\text{N}_2\text{O}_5$ の N は窒素。窒素は非金属です。

非金属の酸化物は酸性酸化物です。

答:酸性酸化物


問15の解説

水に溶けて塩基を示す酸化物は、塩基性酸化物のうち水に溶けるものです。

$\text{CaO}$ は水と反応して $\text{Ca(OH)}_2$ を与えます。

$\text{Na}_2\text{O}$ は水と反応して $\text{NaOH}$ を与えます。

答:$\text{CaO}$、$\text{Na}_2\text{O}$(他に $\text{K}_2\text{O}$、$\text{BaO}$ なども可)


問16の解説

水にほとんど溶けないが、金属の酸化物なので塩基性酸化物であるものがあります。

$\text{Fe}_2\text{O}_3$(酸化鉄(III))と $\text{CuO}$(酸化銅(II))がその例です。

答:$\text{Fe}_2\text{O}_3$、$\text{CuO}$(他に $\text{MgO}$ なども可)


問17の解説

$\text{SO}_3$ は酸性酸化物です。塩基と反応します。

$\text{SO}_3$ は水と反応して $\text{H}_2\text{SO}_4$(硫酸)になります。

硫酸1 mol を中和するには $\text{NaOH}$ 2 mol が必要です。

だから $\text{SO}_3$ 1 mol には $\text{NaOH}$ 2 mol で、硫酸ナトリウムと水ができます。

$$ \text{SO}_3 + 2\text{NaOH} \rightarrow \text{Na}_2\text{SO}_4 + \text{H}_2\text{O} $$

答: $\text{SO}_3 + 2\text{NaOH} \rightarrow \text{Na}_2\text{SO}_4 + \text{H}_2\text{O}$


問18の解説

酸と反応して塩と水を与えるのは、塩基性酸化物の性質です。

塩基とは反応しないのも、塩基性酸化物の性質です。

酸性酸化物は塩基と反応します。酸とは反応しません。

A は酸と反応し、塩基とは反応しなかった。だから塩基性酸化物です。

答:塩基性酸化物。酸と反応して塩と水を与え、塩基とは反応しないから。


一緒にがんばる仲間へ

ここまで全18問やりきったあなたは、もう「水に溶けない $\text{Fe}_2\text{O}_3$ や $\text{CuO}$ をどう分類するか」で手が止まることはありません。金属か非金属か、酸・塩基のどちらと反応するか、という2つの軸で判断できるようになっています。

もし周りに「$\text{Fe}_2\text{O}_3$ は水に溶けないからわからない」と悩んでいる友達がいたら、このページを教えてあげてください。きっと喜ばれます。実は、一番力がつく勉強法は「人に教えること」です。友達に「金属か非金属かで判断するんだよ」と自分の言葉で説明してみてください。説明できたら、その単元は完全に自分のものになっています。

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