この記事を読むと、$y=\tan x$ と $y=\tan 3x$ のグラフで、漸近線の並べ方・周期・交点の一般解から空欄補充を解く方法がわかります。
【問題】
右図は、関数 $y=\tan x$ のグラフと直線 $y=1$ を表しています。
関数 $y=\tan x$ のグラフの漸近線のうち、$x$ 軸との交点の $x$ 座標が正であるものを、$x$ 座標が小さいものから順に書くと、5番目の漸近線は直線 $$ x=\dfrac{\boxed{\text{ア}}}{\boxed{\text{イ}}}\pi $$ です。
また、この2つのグラフの交点の $x$ 座標について、正であるもののうち最も小さいものは $$ \dfrac{\pi}{\boxed{\text{ウ}}} $$ です。
次に、関数 $y=\tan 3x$ のグラフと直線 $$ y=\dfrac{1}{\sqrt{3}} $$ について考えます。
関数 $y=\tan 3x$ の周期は $$ \dfrac{\pi}{\boxed{\text{エ}}} $$ です。
また、関数 $y=\tan 3x$ のグラフと直線 $$ y=\dfrac{1}{\sqrt{3}} $$ との交点の $x$ 座標について、正であるもののうち最も小さいものは $$ x=\dfrac{\pi}{\boxed{\text{オカ}}} $$ であり、正であるものを小さいものから順に書くと、3番目は $$ x=\dfrac{\boxed{\text{キク}}}{\boxed{\text{ケコ}}}\pi $$ です。
いまから解説します。
自分の力で解きましたか?
【三角関数 tanグラフ 漸近線と交点】解説と解答
導入
この問題は、次の2つを分けて考えると整理しやすいです。
- 漸近線の並び($y=\tan x$ のみ)
- 方程式の一般解($\tan(\cdot)=\text{定数}$)
「グラフを読む問題」に見えますが、本質は「等差数列のように並ぶ角度を正しく数えること」です。
使う武器(公式・定理)
既習の方は読み飛ばして大丈夫です。
- $y=\tan x$ の漸近線は $$ x=\dfrac{\pi}{2}+n\pi\quad (n\in\mathbb{Z}) $$ です。
- $y=\tan x$ の周期は $\pi$、$y=\tan 3x$ の周期は $$ \dfrac{\pi}{3} $$ です。
- $\tan\theta=\tan\alpha$ の一般解は $$ \theta=\alpha+n\pi\quad (n\in\mathbb{Z}) $$ です。
思考のプロセス(Step by Step)
(1)ア・イ・ウ
$y=\tan x$ の漸近線は $$ x=\dfrac{\pi}{2}+n\pi=\dfrac{2n+1}{2}\pi $$ です。正のものを小さい順に並べると $$ \dfrac{1}{2}\pi,\ \dfrac{3}{2}\pi,\ \dfrac{5}{2}\pi,\ \dfrac{7}{2}\pi,\ \dfrac{9}{2}\pi,\ \cdots $$ なので、5番目は $$ x=\dfrac{9}{2}\pi $$ です。よって
- ア $=9$
- イ $=2$
です。
次に交点は $$ \tan x=1 $$ を満たす $x$ です。最小正解は $$ x=\dfrac{\pi}{4} $$ なので
- ウ $=4$
です。
(2)エ・オカ・キク・ケコ
$y=\tan 3x$ の周期は $$ \dfrac{\pi}{3} $$ なので
- エ $=3$
です。
次に交点条件は $$ \tan 3x=\dfrac{1}{\sqrt{3}}=\tan\dfrac{\pi}{6} $$ です。一般解より $$ 3x=\dfrac{\pi}{6}+n\pi $$ $$ x=\dfrac{\pi}{18}+\dfrac{n\pi}{3} $$ です。
最小の正のものは $n=0$ のとき $$ x=\dfrac{\pi}{18} $$ なので
- オカ $=18$(オ $=1$、カ $=8$)
です。
正のものを順に並べると $$ \dfrac{1}{18}\pi,\ \dfrac{7}{18}\pi,\ \dfrac{13}{18}\pi,\ \cdots $$ となるので、3番目は $$ x=\dfrac{13}{18}\pi $$ です。よって
- キク $=13$(キ $=1$、ク $=3$)
- ケコ $=18$(ケ $=1$、コ $=8$)
です。
【解答】
$$ \text{ア}=9,\ \text{イ}=2,\ \text{ウ}=4,\ \text{エ}=3,\ \text{オ}=1,\ \text{カ}=8,\ \text{キ}=1,\ \text{ク}=3,\ \text{ケ}=1,\ \text{コ}=8 $$
【まとめ】tanの空欄補充で外さないコツ
- 漸近線は $x=\dfrac{\pi}{2}+n\pi$ をまず書き、正の順に並べるとミスしにくいです。
- $\tan(\cdot)=\text{定数}$ は一般解 $\cdot=\text{基準角}+n\pi$ を必ず使います。
- 「最小の正」「3番目」などの指示は、一般解を等差的に並べて確認すると確実です。
【解き直しのすすめ】tan方程式の再現練習
今回の問題は「わかった気になる」代表例です。
次の2点を明日ノートで再現してみてください。
- $\tan 3x=\dfrac{1}{\sqrt{3}}$ の一般解を、基準角から自力で導けるか
- $x=\dfrac{\pi}{18}+\dfrac{n\pi}{3}$ から3番目の正の解を、暗算で出せるか
明日、何も見ずにこの問題が解けるかテストしてみてください。
それが本当の実力です。
【最強の暗記法:絞り込みリコールシート】
□ 問題:$y=\tan x$ の漸近線は何ですか?
□ 答:$x=\dfrac{\pi}{2}+n\pi\ (n\in\mathbb{Z})$ です。
□ 問題:$y=\tan x$ の周期は何ですか?
□ 答:$\pi$ です。
□ 問題:$y=\tan 3x$ の周期は何ですか?
□ 答:$\dfrac{\pi}{3}$ です。
□ 問題:$\tan\theta=\tan\alpha$ の一般解はどう書きますか?
□ 答:$\theta=\alpha+n\pi\ (n\in\mathbb{Z})$ です。
□ 問題:$y=\tan x$ の正の漸近線で5番目は何ですか?
□ 答:$x=\dfrac{9}{2}\pi$ です。
□ 問題:$\tan x=1$ の最小正解は何ですか?
□ 答:$x=\dfrac{\pi}{4}$ です。
□ 問題:$\tan 3x=\dfrac{1}{\sqrt{3}}$ を基準角で書くとどうなりますか?
□ 答:$\tan 3x=\tan\dfrac{\pi}{6}$ です。
□ 問題:$\tan 3x=\dfrac{1}{\sqrt{3}}$ の一般解を $x$ で書くとどうなりますか?
□ 答:$x=\dfrac{\pi}{18}+\dfrac{n\pi}{3}$ です。
□ 問題:上の一般解で最小正解は何ですか?
□ 答:$x=\dfrac{\pi}{18}$ です。
□ 問題:上の一般解で3番目の正の解は何ですか?
□ 答:$x=\dfrac{13}{18}\pi$ です。
【友達に教えてあげよう】
tanの問題で「図は見えるのに式にできない」と止まっている友達、周りにいませんか?
このページの流れどおりに、漸近線は並べる・交点は一般解で出す、の2段階に分けるだけでかなり解きやすくなります。
教えるつもりで説明すると、自分の理解の穴もはっきりします。
もし同じ単元で困っている友達がいたら、このページのURLを送ってあげてください。あなたの一言が、友達の「わからない」を「解ける」に変えるきっかけになるかもしれません。