$ax^2+(a+7)x+2a-7=0$の異なる実数解と、解が$-3

この記事を読むと、パラメータ付き二次方程式について、(1)異なる実数解が2つあるときの$a$の範囲を判別式から求めることと、(2)その2つの解がともに開区間$-3<x<3$に入るときを、「$D$・端・軸」の見取りで整理する流れがわかります(一行の条件式を丸暗記しなくてよいです)。

【問題】

$a$は定数とする。次の方程式について答えよ。

$$ ax^2+\left(a+7\right)x+2a-7=0 $$

(1)この方程式が異なる実数解を2つもつとき、$a$の値の範囲を求めよ。ただし答えは次の形で答えること。

$$ \text{ア }\square<a<0,\quad 0<a<\text{イ }\square $$

(2)さらに、(1)の異なる実数解を2つとも$-3<x<3$の範囲におさめるとき、$a$の値の範囲を求めよ。ただし答えは次の形で答えること。

$$ \text{ウ }\square<a<\text{エ }\square $$

※立命館大学を題材とした問題です。

いまから解説します。
自分の力で解きましたか?


【二次方程式 判別式 解の位置】解説と解答

導入

パラメータが$x^2$の係数にも入るときは、最初に「二次方程式になっているか」を確認します。つまり$a\neq0$です。そのうえで(1)は判別式$D>0$、(2)は「開区間の内側に解がある」タイプとして、判別式・両端の高さ・対称軸の位置を順に見ると安定します(いきなり一行の条件式を覚える必要はありません)。

取っ掛かりは次の順番です。

  1. $f\left(x\right)=ax^2+\left(a+7\right)x+2a-7$とおいて、まず$a\neq0$と$D>0$で「異なる実数解が2つ」を確かめる。
  2. (2)は「両端」「対称軸」「判別式」の3点を、図の見取りとして確認する(式の形を暗記しなくてよいです)。
  3. (1)で求めた範囲との共通部分で仕上げます。

使う武器(公式・定理)

既習の方は読み飛ばして大丈夫です。

  • 二次方程式の条件:2次のとき$x^2$の係数は0ではない。
  • 判別式:$ax^2+bx+c=0$の判別式$D=b^2-4ac$で、異なる実数解が2つ$\Leftrightarrow D>0$です。
  • 対称軸:$y=f\left(x\right)$のグラフの軸は$x=-\dfrac{b}{2a}$です(この問題なら$b=a+7$)。

(2)の見取りだけ先に(暗記不要)

方程式$ax^2+bx+c=0$の左辺を$y=f\left(x\right)$とおきます。異なる実数解が2つあるとき、グラフは$x$軸と2点で交わります。その2点が、ともに開区間$\left(p,q\right)$の内側にある、と言い換えると次のイメージです。

  1. まず交わる:$D>0$(2つの交点が存在する)。
  2. 端$p,q$の外側に「余白」がある:$x=p$と$x=q$では、まだ$x$軸に触れていない(開区間なので境界に解が触れてはいけない)。
    • $a>0$(下に凸)なら、両端は$x$軸よりなので$f\left(p\right)>0$かつ$f\left(q\right)>0$。
    • $a<0$(上に凸)なら、両端は$x$軸よりなので$f\left(p\right)<0$かつ$f\left(q\right)<0$。
      この記事の本編では、上のどちらの不等式になるかを$a$の符号で分けて進めます(係数$a$と端の値$f$を掛けて一列にまとめる書き方は使いません)。
  3. 軸も区間の内側:2つの交点の「間」に軸がある必要があるので、$p<-\dfrac{b}{2a}<q$です。

教科書によっては上の3つを一行にまとめて書きますが、現場では「$D$・端・軸」の3語でチェックリスト化するほうがミスが減ります。式を丸暗記するより、この見取りを言葉で言えるようにするのがおすすめです。

思考のプロセス(Step by Step)

$$ f\left(x\right)=ax^2+\left(a+7\right)x+2a-7 $$

とします。

(1)異なる実数解が2つあるための$a$

二次方程式として$a\neq0$が必要です。

判別式$D$は

$$ \begin{aligned} D&=\left(a+7\right)^2-4a\left(2a-7\right)\ &=a^2+14a+49-8a^2+28a\ &=-7a^2+42a+49 \end{aligned} $$

です。$D>0$は

$$ -7a^2+42a+49>0 $$

両辺を$-7$で割ると(不等号の向きが反転して)

$$ a^2-6a-7<0 $$

すなわち

$$ \left(a-7\right)\left(a+1\right)<0 $$

ですから

$$ -1<a<7 $$

が判別式の条件です。$a\neq0$と合わせて

$$ -1<a<0,\quad 0<a<7 $$

したがって

$$ \text{ア}=-1,\quad \text{イ}=7 $$

です。

(2)2つの解がともに$-3<x<3$にあるための$a$

(1)より元々は$-1<a<7$かつ$a\neq0$の範囲にいます。

$D>0$は(1)でそろっているので、あとはです。端は上の見取りどおり、

  • $a>0$のときは$f\left(-3\right)>0$かつ$f\left(3\right)>0$
  • $a<0$のときは$f\left(-3\right)<0$かつ$f\left(3\right)<0$

を満たします。軸は

$$ -3<-\dfrac{a+7}{2a}<3 $$

です(開区間なので等号は付けません)。

まず端の値を計算します。

$$ \begin{aligned} f\left(-3\right)&=9a-3\left(a+7\right)+2a-7\ &=8a-28 \end{aligned} $$

$$ \begin{aligned} f\left(3\right)&=9a+3\left(a+7\right)+2a-7\ &=14a+14\ &=14\left(a+1\right) \end{aligned} $$

です。

まず$a<0$のときを見ます。

ここで言う「$a<0$」は、(1)の判別式ですでに絞った候補、すなわち

$$ -1<a<0 $$

のときだけを考えています($a\le-1$ならそもそも$D>0$を満たしません)。

$a<0$(下に凸)のとき、2つの解がともに$-3<x<3$の内側にあるなら、区間の外側にある$x=3$では放物線は$x$軸よりでなければなりません。だから端の条件の一つとして$f\left(3\right)<0$が必要です(もう一つは$f\left(-3\right)<0$ですが、いまは$f\left(3\right)$だけ見れば十分です)。

ところが$-1<a-1$なので$a+1>0$です。したがって

$$ f\left(3\right)=14\left(a+1\right)>0 $$

となり、さきほど必要とした$f\left(3\right)<0$と両立しません。$a<0$の候補はすべてここで却下できます。

つぎに$a>0$のときを見ます。端の条件は$f\left(-3\right)>0$かつ$f\left(3\right)>0$です。

$f\left(3\right)>0$は$14\left(a+1\right)>0$すなわち$a>-1$ですが、$a>0$なら自動的に成り立ちます。

$f\left(-3\right)>0$は$8a-28>0$すなわち

$$ a>\dfrac{7}{2} $$

です。

いま対称軸は$x=-\dfrac{a+7}{2a}$です。$a>0$なので$-3<-\dfrac{a+7}{2a}$は両辺に$2a$を掛けて

$$ -6a<-a-7 $$

となり

$$ a>\dfrac{7}{5} $$

また$-\dfrac{a+7}{2a}<3$も両辺に$2a$を掛けると

$$ -a-7<6a $$

となり$a>-1$です。これは$a>\dfrac{7}{2}$より弱いので実質不要です。

したがってこれまでの条件はまとめると

$$ a>\dfrac{7}{2},\quad a<7 $$

です($a=7$では$D=0$となり重解になり、$\dfrac{7}{2}$では$f\left(-3\right)=0$となり境界$x=-3$に解が触れます。いずれも開区間の要求に合わないので厳密には外します)。

$$ \dfrac{7}{2}<a<7 $$

したがって

$$ \text{ウ}=\dfrac{7}{2},\quad \text{エ}=7 $$

です。


解答まとめ

(1)$\text{ア}=-1$,$\text{イ}=7$すなわち

$$ -1<a<0,\quad 0<a<7 $$

(2)$\text{ウ}=\dfrac{7}{2}$,$\text{エ}=7$すなわち

$$ \dfrac{7}{2}<a<7 $$


【判別式と解の位置のまとめ】

  • 二次方程式の役割:$x^2$の係数が0だと二次ではないので、まず$a\neq0$を確認します。
  • (1)異なる実数解が2つ:$D>0$と$a\neq0$で基本形が決まります。
  • (2)開区間におさめる:暗記より先に「$D$・端・軸」の3点です。端は$a>0$なら$f\left(p\right)>0$かつ$f\left(q\right)>0$$a<0$なら$f\left(p\right)<0$かつ$f\left(q\right)<0$と、向きで分けて考えます。
  • 等号に注意:開区間なので境界に解が触れる$a$は最後に外して確認します。

【解が区間に入る条件を自力で確かめるために】解き直しのすすめ

入力で読むだけでは「流れはわかった気」になりやすいですが、実力は式の計算と最後の共通部分取りで決まります。

次をノートに書いてみてください。

  1. $D=-7a^2+42a+49$まで一発でたどれるか
  2. $f\left(-3\right)$と$f\left(3\right)$を$a$だけの式にできるか
  3. なぜ最終的に$a<0$が消えるのかを、$f\left(3\right)$の符号だけで説明できるか

明日、何も見ずにこの問題が解けるかテストしてみてください。
それが本当の実力です。


【最強の暗記法:絞り込みリコールシート】

□ 問題:$ax^2+bx+c=0$が二次方程式として扱える条件は何ですか?

□ 答:$a\neq0$です。


□ 問題:異なる実数解が2つある条件は判別式でどう表せますか?

□ 答:$D=b^2-4ac>0$です。


□ 問題:$D>0$が$\left(a-7\right)\left(a+1\right)<0$になるのは、この記事の$f$ではなぜですか?

□ 答:$D=-7a^2+42a+49$を整理して$-7$で割ると$a^2-6a-7<0$になるからです。


□ 問題:(1)の最終範囲はなぜ$a=0$を除きますか?

□ 答:$a=0$だと$x^2$の項が消えて二次方程式ではなくなるからです。


□ 問題:$f\left(-3\right)$をこの記事の$f$で計算するとどうなりますか?

□ 答:$f\left(-3\right)=8a-28$です。


□ 問題:$f\left(3\right)$はどうなりますか?

□ 答:$f\left(3\right)=14\left(a+1\right)$です。


□ 問題:開区間$p<x<q$に異なる実数解が2つとも入む判定で、端に使う条件は何ですか?

□ 答:端$p,q$ではまだ$x$軸に触れていない必要があります。$a>0$なら$f\left(p\right)>0$かつ$f\left(q\right)>0$$a<0$なら$f\left(p\right)<0$かつ$f\left(q\right)<0$です。


□ 問題:同じ設定で対称軸に何を見ますか?

□ 答:2つの交点のあいだに軸が入る必要があるので、$p<-\dfrac{b}{2a}<q$です。


□ 問題:なぜ(2)で最終的に$a>0$だけが残りますか?

□ 答:$a<0$のときは端で$f\left(3\right)<0$などが要りますが、判別式で残るのは$-1<a0$なので$f\left(3\right)=14\left(a+1\right)>0$となり、$f\left(3\right)<0$と矛盾します。


□ 問題:なぜ上端は$a<7$になりますか?

□ 答:$a=7$のとき$D=0$となり重解になって「異なる2つ」にならないからです。


□ 問題:なぜ下端は$a>\dfrac{7}{2}$になりますか?

□ 答:$a>0$のもとで$f\left(-3\right)>0$より$a>\dfrac{7}{2}$が付き、さらに$a=\dfrac{7}{2}$では$f\left(-3\right)=0$で境界に解が触れるからです。


□ 問題:この手の問題で最初にやりがちなミスは何ですか?

□ 答:$a\neq0$の見落とし、判別式の符号処理、開区間なのに境界を残す見落としです。


【友達に教えてあげよう】

「判別式は書けるけど、解が区間に入るところで迷う」という友達、周りにいませんか?

この記事では、端の不等式を$a>0$と$a<0$で分けてから対称軸を並べる型を、そのままノートに写せる形でまとめています。

説明できるようになると、試験でも途中でグラフを想像しなくてもチェックリストで進められるようになります。

もし同じタイプで止まっている友達がいたら、このページのURLを送ってあげてください。あなたの一言が、友達の「どこから不等式を書けばいいか」を変えるきっかけになるかもしれません。

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