【数学II解説】2つの円の位置関係(外接・内接)の解き方!距離と半径の公式を使いこなそう

【問題】

178 座標平面上で,次の 2 つの円について考える。 $C_1: x^2 + y^2 – 12x – 4y + 36 = 0, \quad C_2: x^2 + y^2 – 2ax – 2ay + a^2 = 0$ ただし, $a$ は正の定数とする。2 つの円 $C_1, C_2$ が外接するときの $a$ の値を求めよ。また,円 $C_1, C_2$ が内接するときの $a$ の値を求めよ。 (改 神戸女学院大)


⚠️ 生徒のみなさんへ ⚠️ 解説を見る前に、まずはペンを持って自分のノートに解いてみましょう。 「2 つの円の位置関係」は、数学 II の「図形と方程式」の中でも特に出題されやすい重要テーマです。 外接と内接、それぞれの条件式を正しく立てられるかが勝負ですよ!

…自分の力で解きましたか? それでは、解説を始めます。どこでつまずいたかを確認しながら読んでくださいね。


【解説】 2 つの円の位置関係(外接・内接)

こんにちは、スマスクの数学講師です。 今回のテーマは**「2 つの円の位置関係」**です。 この問題を解くためのゴールは、以下の 2 つの条件式を使いこなすことです。

  • 外接する(外側で接する) $\Longleftrightarrow$ 中心間の距離 $d = r_1 + r_2$ (半径の和)
  • 内接する(内側で接する) $\Longleftrightarrow$ 中心間の距離 $d = |r_1 – r_2|$ (半径の差の絶対値)

では、順を追って解いていきましょう。

1. 円の方程式を基本形に直す

まずは、与えられた円の方程式を「基本形」 $(x-p)^2 + (y-q)^2 = r^2$ に直して、中心と半径を求めます。

円 $C_1$ について 式を変形(平方完成)します。

$$ (x^2 – 12x) + (y^2 – 4y) + 36 = 0 $$

$$ (x – 6)^2 – 36 + (y – 2)^2 – 4 + 36 = 0 $$

$$ (x – 6)^2 + (y – 2)^2 = 4 $$

よって、円 $C_1$ の中心は $(6, 2)$, 半径 $r_1 = 2$ です。

円 $C_2$ について 同様に変形します。

$$ (x^2 – 2ax) + (y^2 – 2ay) + a^2 = 0 $$

$$ (x – a)^2 – a^2 + (y – a)^2 – a^2 + a^2 = 0 $$

$$ (x – a)^2 + (y – a)^2 = a^2 $$

よって、円 $C_2$ の中心は $(a, a)$, 半径 $r_2 = a$ です。($a > 0$ なので、半径は正となり OK です)

2. 中心間の距離 $d$ を求める

2 つの円の中心 $(6, 2)$ と $(a, a)$ の距離 $d$ を求めます。

$$ d = \sqrt{(a – 6)^2 + (a – 2)^2} $$

3. 外接するときの条件

外接する条件は「中心間の距離 $d$ = 半径の和」です。

$$ \sqrt{(a – 6)^2 + (a – 2)^2} = 2 + a $$

両辺とも正なので、2 乗してルートを外します。

$$ (a – 6)^2 + (a – 2)^2 = (a + 2)^2 $$

左辺を展開して整理しましょう。

$$ (a^2 – 12a + 36) + (a^2 – 4a + 4) = a^2 + 4a + 4 $$

$$ 2a^2 – 16a + 40 = a^2 + 4a + 4 $$

$$ a^2 – 20a + 36 = 0 $$

因数分解すると、

$$ (a – 2)(a – 18) = 0 $$

$a > 0$ という条件を満たすか確認すると、$a = 2, 18$ はどちらも正なので適します。 よって、外接するとき $a = 2, 18$ です。

4. 内接するときの条件

内接する条件は「中心間の距離 $d$ = 半径の差の絶対値」です。 ここで絶対値を忘れないのが最大のポイントです! どちらの半径が大きいかわからないときは必ず絶対値をつけましょう。

$$ \sqrt{(a – 6)^2 + (a – 2)^2} = |2 – a| $$

両辺を 2 乗します。(絶対値の 2 乗は、単なるカッコの 2 乗と同じになります)

$$ (a – 6)^2 + (a – 2)^2 = (2 – a)^2 $$

右辺の $(2 – a)^2$ は $(a – 2)^2$ と同じ値なので、左辺の $(a – 2)^2$ ときれいに打ち消し合いますね。これに気づくと計算が楽になります!

$$ (a – 6)^2 = 0 $$

よって、

$$ a = 6 $$

これは $a > 0$ を満たします。 したがって、内接するとき $a = 6$ です。


【解答】

円 $C_1$ の中心は $(6, 2)$,半径は $2$ 円 $C_2$ の中心は $(a, a)$,半径は $a$ ($a > 0$)

外接するとき $a = 2, 18$

内接するとき $a = 6$


【まとめ】 2 円の位置関係のポイント

  • まずは平方完成:円の方程式を見たら、反射的に中心と半径を出せるようにしておきましょう。
  • 外接の条件:$d = r_1 + r_2$ (距離=和)
  • 内接の条件:$d = |r_1 – r_2|$ (距離=差の絶対値)
    • 特に内接の場合は、絶対値を忘れるミスが非常に多いです。「大きい方から小さい方を引く」でも良いですが、文字が含まれる場合は絶対値をつけて 2 乗するのが一番安全です。

【解き直しのすすめ】 計算ミスを防ぐために

解説を読んで「やり方はわかった」と思っても、実際に手を動かすと「2 乗の計算で展開ミスをした」「因数分解を間違えた」といったことがよく起こります。 特に内接の計算で、$(a-2)^2$ を両辺で消去できることに気づかず、真面目に展開して計算ミスをしてしまう生徒さんが多いです。

今すぐ、解説を隠して、もう一度最初から最後まで計算しきれるかチャレンジしてみてください。 「式を立てる」だけでなく「最後まで正解する」力を養いましょう!


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