1次不定方程式の3パターン完全解説|特殊解・一般解・正の整数解【数A・整数】

【問題】

336

156 $14x + 23y = 1$ を満たす整数の組 $(x, y)$ を $1$ つ答えよ。

157 $1$ 次不定方程式 $275x + 61y = 1$ のすべての整数解を求めよ。

158 等式 $3x + 4y = 42$ を満たす正の整数 $x$, $y$ の組をすべて求めよ。


まずは自力で解いてみてください。3問とも「1次不定方程式」ですが、聞かれていることが少しずつ違います。156は「1つ」、157は「すべて」、158は「正の整数」という制約がついています。自分の力で解きましたか?

では、いまから解説します。


【解説と解答】1次不定方程式の3パターンを制覇する

導入:3問の「違い」が重要

この3問、どれも「1次不定方程式」ですが、求めるものが段階的に変わっています。

問題 求めるもの 難易度
156 1つの整数解(特殊解)
157 すべての整数解(一般解) ★★
158 正の整数解(条件付き一般解) ★★★

基本の流れは共通:

  1. $a$ と $b$ の最大公約数が $1$(互いに素)を確認 → 整数解が存在する
  2. 特殊解を1つ見つける:$y = \dfrac{c – ax}{b}$ に $x = 0, 1, 2, \ldots$ を代入して $y$ が整数になる値を探す
  3. 必要なら一般解を公式で表す:$x = p + bk$、$y = q – ak$
  4. 「すべての正の整数解」のときは $x > 0$ かつ $y > 0$ の条件を $k$ に課す

使う武器(公式・定理)

1次不定方程式の一般解:

$a$、$b$ が互いに素のとき、$ax + by = c$ の1つの整数解を $(p, q)$ とすると、すべての整数解は

$$ x = p + bk, \quad y = q – ak \quad (k \text{ は整数}) $$

特殊解の見つけ方:

$ax + by = c$ を $y$ について解き、$x = 0, 1, 2, \ldots$ を代入して $y$ が整数になる $x$ を探す。

$$ y = \frac{c – ax}{b} $$

$y$ が整数になる条件 → $(c – ax)$ が $b$ で割り切れること。

すでに知っている方は、思考のプロセスに進んでください。


思考のプロセス(Step by Step)


問題156:$14x + 23y = 1$ の特殊解を1つ求める

ステップ1:互いに素か確認

GCD$(14, 23) = 1$(互いに素)→ 整数解が存在します。

ステップ2:$y$ について解いて、$x$ を小さい値から試す

$$ y = \frac{1 – 14x}{23} $$

$y$ が整数になるには $(1 – 14x)$ が $23$ で割り切れる必要がある。$x$ に $0$ から順に代入する:

$x$ $1 – 14x$ $\div 23$ 整数になる?
$0$ $1$ $0.043\ldots$
$1$ $-13$ $-0.565\ldots$
$2$ $-27$ $-1.17\ldots$
$3$ $-41$ $-1.78\ldots$
$4$ $-55$ $-2.39\ldots$
$5$ $-69$ $-3$

$x = 5$ のとき $y = -3$ → 特殊解:$(x, y) = (5,\ -3)$

確認: $14 \times 5 + 23 \times (-3) = 70 – 69 = 1$ ✓

解答:

$$ \boxed{(x, y) = (5, -3)} $$

(注:特殊解は1つとは限らない。例えば $(x, y) = (-18, 11)$ なども正解。確認:$14 \times (-18) + 23 \times 11 = -252 + 253 = 1$ ✓)


問題157:$275x + 61y = 1$ のすべての整数解を求める

ステップ1:互いに素か確認

$275 = 61 \times 4 + 31$、$61 = 31 \times 2 – 1$ より、$275$ と $61$ の最大公約数は $1$ ✓

ステップ2:$y$ について解いて、$x$ を小さい値から試す

$$ y = \frac{1 – 275x}{61} $$

$y$ が整数になるには $(1 – 275x)$ が $61$ で割り切れる必要がある。$x$ に小さい整数を順に代入する:

$x$ $1 – 275x$ $\div 61$ 整数になる?
$0$ $1$ $0.016\ldots$
$1$ $-274$ $-4.49\ldots$
$2$ $-549$ $-9$

$x = 2$ のとき $y = -9$ → 特殊解:$(p, q) = (2,\ -9)$

確認: $275 \times 2 + 61 \times (-9) = 550 – 549 = 1$ ✓

ステップ3:一般解を公式で表す

$a = 275$、$b = 61$、$(p, q) = (2, -9)$ を代入:

$$ x = 2 + 61k, \quad y = -9 – 275k \quad (k \text{ は整数}) $$

確認($k = 1$ の場合):

$x = 63$、$y = -284$

$275 \times 63 + 61 \times (-284) = 17325 – 17324 = 1$ ✓

解答:

$$ \boxed{x = 61k + 2, \quad y = -275k – 9 \quad (k \text{ は整数})} $$


問題158:$3x + 4y = 42$ を満たす正の整数解をすべて求める

ステップ1:互いに素か確認

GCD$(3, 4) = 1$ ✓

ステップ2:$y$ について解いて、$x$ を小さい値から試す

$$ y = \frac{42 – 3x}{4} $$

$y$ が整数になるには $(42 – 3x)$ が $4$ で割り切れる必要がある。$x$ に $0$ から順に代入する:

$x$ $42 – 3x$ $\div 4$ 整数になる?
$0$ $42$ $10.5$
$1$ $39$ $9.75$
$2$ $36$ $9$

$x = 2$ のとき $y = 9$ → 特殊解:$(p, q) = (2,\ 9)$

確認: $3 \times 2 + 4 \times 9 = 6 + 36 = 42$ ✓

ステップ3:一般解を書く

$a = 3$、$b = 4$、$(p, q) = (2, 9)$:

$$ x = 2 + 4k, \quad y = 9 – 3k \quad (k \text{ は整数}) $$

ステップ4:「正の整数」という条件を加える

$x > 0$ かつ $y > 0$ を $k$ に課します。

$$ x > 0 \implies 2 + 4k > 0 \implies k > -\frac{1}{2} \implies k \geq 0 $$

$$ y > 0 \implies 9 – 3k > 0 \implies k < 3 \implies k \leq 2 $$

よって $k = 0, 1, 2$ の $3$ 通り:

$k$ $x = 2 + 4k$ $y = 9 – 3k$ 確認
$0$ $2$ $9$ $6 + 36 = 42$ ✓
$1$ $6$ $6$ $18 + 24 = 42$ ✓
$2$ $10$ $3$ $30 + 12 = 42$ ✓

($k = 3$ では $y = 0$、$k = -1$ では $x = -2$、ともに正の整数でないので不適)

解答:

$$ \boxed{(x, y) = (2, 9),\ (6, 6),\ (10, 3)} $$


【まとめ】1次不定方程式の3パターンを整理する

共通の手順:

  1. $a$ と $b$ の最大公約数が $1$ を確認する
  2. 特殊解 $(p, q)$ を1つ求める:$y = \dfrac{c-ax}{b}$ に $x=0,1,2,\ldots$ を代入して探す
  3. 一般解:$x = p + bk$、$y = q – ak$($k$ は整数)

パターンごとの追加操作:

パターン 追加操作
「1つ求めよ」 特殊解のみでOK
「すべての整数解」 一般解を書いて完了
「正の整数解」 $x > 0$ かつ $y > 0$ を $k$ に課し、$k$ の範囲を求める

よくあるミス:

  • 問題158で $x \geq 0$ や $y \geq 0$($0$ を含む)にしてしまう → 「正の整数」は $x > 0$、$y > 0$
  • 一般解の係数が $b$ と $-a$ になることを逆にする($x$ の $k$ 係数が $b$、$y$ の $k$ 係数が $-a$)

【解き直しのすすめ】「わかった」から「解ける」へ

「解説を読んでわかった!」と「自分で解ける」は全くの別物です。

特に問題157は $x = 0, 1, 2$ と試すだけで特殊解が見つかりますが、一度手を動かして体に覚えさせることが大切です。

解き直しアクション:

  1. この解説を閉じて、156・157・158を何も見ずに解いてみてください。
  2. 問題157で「$x$ に何を代入すると $y$ が整数になるか」をスムーズに言えるか確認しましょう。
  3. 解けたら $5x + 3y = 41$ を満たす正の整数解をすべて求めてみてください。

明日、何も見ずにこの問題が解けるかテストしてみてください。それが本当の実力です。


【最強の暗記法:絞り込みリコールシート】

□ 問題:1次不定方程式の一般解の公式は?

□ 答:$ax + by = c$ の特殊解を $(p, q)$ とすると、一般解は $x = p + bk$、$y = q – ak$($k$ は整数)。


□ 問題:$14 \times 5 + 23 \times (-3) = \square$

□ 答:$1$。$70 – 69 = 1$。問題156の特殊解です。


□ 問題:問題157 で $y = \dfrac{1-275x}{61}$ に $x=2$ を代入すると $y = \square$

□ 答:$-9$。$(1 – 275 \times 2) \div 61 = -549 \div 61 = -9$。


□ 問題:問題157 の特殊解 $(p, q)$ はいくつですか?

□ 答:$(2, -9)$。$275 \times 2 + 61 \times (-9) = 550 – 549 = 1$。


□ 問題:問題157 のすべての整数解は?

□ 答:$x = 61k + 2$、$y = -275k – 9$($k$ は整数)。


□ 問題:問題158 の特殊解は?

□ 答:$(2, 9)$。$3 \times 2 + 4 \times 9 = 6 + 36 = 42$。


□ 問題:問題158 の一般解は?

□ 答:$x = 2 + 4k$、$y = 9 – 3k$($k$ は整数)。


□ 問題:問題158 で「正の整数」条件を課すと $k$ の範囲は?

□ 答:$x > 0$ より $k \geq 0$、$y > 0$ より $k \leq 2$。よって $k = 0, 1, 2$。


□ 問題:問題158 の正の整数解をすべて答えてください。

□ 答:$(x, y) = (2, 9),\ (6, 6),\ (10, 3)$ の $3$ 組。


□ 問題:「1次不定方程式 $ax + by = c$ の整数解が存在する条件」は?

□ 答:$a$ と $b$ が互いに素(GCD$(a, b) = 1$)であること。このとき任意の整数 $c$ に対して解が存在します。


□ 問題:問題157 で $x=0,1,2$ を試したとき、最初に $y$ が整数になるのは $x=\square$

□ 答:$x=2$。$1-275\times2=-549$、$-549\div61=-9$(整数)。


【友達に教えてあげよう】

「$275x + 61y = 1$ の全整数解って、どこから手をつけるの?」と途方に暮れている友達、周りにいませんか?

この解説を読んだあなたは、もう「$y = \dfrac{1-275x}{61}$ に $x=0,1,2,\ldots$ を代入して $y$ が整数になる $x$ を探せば特殊解が求まり、あとは公式で一般解を書くだけ」という武器を持っています。

「人に教えるつもりで解く」のは、ラーニングピラミッドの中で最も記憶定着率の高い学習法です。友達に「$x=2$ を代入すると $y=-9$ が出て、$275\times2+61\times(-9)=1$ になるよ」と実況しながら教えてみてください。説明できたとき、本物の理解になります。

もし同じ単元で詰まっている友達がいたら、このページのURLを送ってあげてください。あなたの一言が、友達の「わからない」を「わかった!」に変えるかもしれません。

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